台風10号は24日午前9時現在、小笠原近海にあって時速25キロで北に進んでいます。中心気圧は980ヘクトパスカル、最大風速が35メートルとなり、「強い」勢力へと発達しました。このあとも発達を続けながら北西方向へ進み、予報円の中心を通ると27日(火)午前9時には四国の300キロほど南の海上へと進んで、950hPa、最大風速45メートルの「非常に強い」勢力へと発達する予想です。

このあたりで北の気圧の谷に引っ張られるようになり、向きを急に北東へと変える見込みです。28日(水)の午前9時の予報円の中心は紀伊半島の南端付近にあり、中心気圧が955ヘクトパスカル、最大風速は40メートルの「強い」勢力で、近畿地方から東海地方に上陸する可能性が高くなっています。

近年上陸した台風でみると、2019年10月に静岡県に上陸し、東日本・北日本に甚大な被害をもたらした台風19号(東日本台風)の上陸直前の観測が、中心気圧955ヘクトパスカル、最大風速40メートルでしたので、台風10号はこれと同等の勢力ということになります。

2019年台風19号の経路図(気象庁HPより)

また、2018年9月に関空連絡橋にタンカーが衝突するなど西日本に猛威をふるった台風21号は、徳島県への上陸時の中心気圧が950ヘクトパスカル、最大風速45メートルの非常に強い勢力でした。台風10号はこれに準ずるくらいの予想で、進路についてはこの2つの台風の間のような予想となっています。

2018年台風21号の経路図(気象庁HPより)

ただ、予報円はまだ大きく、28日(水)の時点で半径が280キロほどあり、西の方を進めば四国に、東の方を進めば関東地方に上陸する可能性も考えられます。北東に向きを変えるタイミングなどにまだぶれがある状況ですので、今後も最新の予報を確認していただきたいですが、いずれにしても東日本・西日本を中心に27日(火)から28日(水)にかけて雨風ともに強まり大荒れの天気となることが予想されます。

東海道新幹線など鉄道の計画運休も考えられ、出張などを予定している方は計画の変更も含めて検討が必要です。台風10号は29日(木)にかけて北日本を北上する見込みで、宮城県でも28日(水)午後を中心に雨や風が強まるおそれがあります。気象庁は東北地方の日本海側で、28日(水)に警報級の暴風・高波になる可能性をともに【中】としています。まだ接近までは時間があり、見通しが変わることも考えられるため、今後も最新の情報を確認してください。

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