ことし5月、広島県廿日市市のショッピングセンターで、女子大学生に刃物を突きつけ現金を奪った男の初公判が開かれ、検察は懲役7年を求刑しました。

起訴状によりますと、谷澤紘一被告はことし5月、廿日市市のショッピングセンターで、来店していた女子大学生に果物ナイフを突きつけ、「強盗だ、おとなしくしろ」と脅し、手をタオルで縛ったうえ、現金5821円を奪うなどしたとされています。

谷澤被告は23日の初公判で起訴内容を認めました。

検察側は冒頭陳述で「若い女性を人質にとって、その女性から金を奪って捕まろうと考えて犯行に及んだ」と指摘しました。

被告人質問では、谷澤被告は動機について「刑務所に入ろうと思いました」と述べました。そのうえで「1ヶ月近く前に出所したが、外での生活になじめなかった。犯行時は社会で生活するより刑務所のほうが暮らしやすいと思っていた。刑務所に入るためには強盗しか思いつかなかった。若い女性を選んだのは抵抗しずらいだろうと思ったから」などと述べました。

検察側は論告で、「大胆かつ悪質な犯行で、動機は自己中心的。これまで過去3回服役していて再犯のおそれが大きい」などとして懲役7年を求刑。弁護側は最終弁論で「社会に適合できない障害を持っていて、本人も反省している」などと述べ、寛大な判決を求めました。

裁判は即日結審し、判決は9月12日に言い渡されます。

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