東京電力福島第一原発で、処理水の海への放出が始まってからあす、8月24日で1年です。漁業をめぐって福島県内では処理水と向き合いながら漁をする日々が続き、国内全体では中国などの禁輸措置の影響が続いています。
福島第一原発で放射性物質のトリチウムを含む処理水の海への放出は去年8月24日に始まり、あすで1年を迎えます。現在は、通算8回目の放出が行われています。
これまでにおよそ6万2000トンを放出し、周辺海域のトリチウム濃度は1リットルあたり最大29ベクレルで、東京電力が上限とした国の基準値の40分の1にあたる1500ベクレルを大きく下回っています。
東京電力の担当者「引き続き緊張感を持って安全の確保に万全を期していきたい」
一方、処理水をめぐって中国などで日本の水産物の禁輸措置が続いていることから、全国の漁業関係者でつくる全漁連は23日、齋藤経済産業大臣に禁輸措置の解除に向けた対応を求めました。
全漁連・坂本雅信会長「(中国などの禁輸措置で)日本の水産物は大変な被害を受けた。我々としては大変心配している」
これに対し、齋藤大臣は禁輸措置の即時撤廃を引き続き働きかけていく考えを示しました。
これまで中国の禁輸措置などに関連して東京電力が支払った賠償金は、7月までに320億円にのぼっています。その中国では21日、回転寿司大手「スシロー」の中国・北京での1号店が開店し、初日から待ち時間が一時10時間を超えるなど、長蛇の列ができました。日本の水産物の輸入禁止の影響で、提供されている水産物はほとんど中国産です。
中国人の客「原発のことを気にする人もいるかもだけど、私は気にしてないよ」
日本の水産物の禁輸措置はいつまで続くのか、処理水をめぐる課題は残されたままです。
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