熊本市の80代女性にかかってきた一本の「詐欺電話」。熊本県警が、録音された音声の一部始終を公開しました。

内容は「携帯電話の不正使用」をうたうもので、通信会社のカスタマーセンターを名乗る女が“警察官”に電話を取り次いだ場面です。

熊本県警が「冷静に対処した」と評する、女性の行動とは。

《“警察官”を名乗る犯人と被害女性の会話》

【犯人】東京警視庁のオイカワと申します。
【被害者】はい。

【被害者】私の(携帯電話)が不正使用というか、私の名義で他の人が契約しているからということでした。
【犯人】了解いたしました。(略)携帯不正利用の件についてですね。その携帯番号が「090‐○○○○‐○○○○」、お持ちですか?
【被害者】持ちません。

【犯人】持ってないですか?
【被害者】はい、持ってないです。

【犯人】なるほど。私の方からいろいろご説明させていただきますね。今回、特殊詐欺事件を捜査しているうちに、主犯格の男を身柄拘束して取り調べを行っていたところ、今回の事件で没収された携帯の番号が「090‐○○○○‐○○○○」、その携帯番号を契約されていないのは間違いないでしょうか?
【被害者】全然関係ないです、こんな番号は。

「本当に警察の方ですよね?」

【犯人】了解です。あの~本人の確認を取りたいので、お名前をお伺いしてよろしいでしょうか?
【被害者】○○です。
【犯人】続きまして、住所の郵便番号を教えていただきたいです。
【被害者】迷ってます。
【犯人】何かご心配?
【被害者】本当に警察の方ですよね?
【犯人】ああそうです。東京警視庁のオイカワです。(略)今回の事件で没収された携帯の名義が…言っちゃいますね。○○さん(被害者)名義だったということなので。(略)

住所がわからないのに?「郵便物を送った」

【犯人】今まで警視庁捜査二課から説明する「協力要請通知書」といった物を○○さん(被害者)の自宅に郵送していますが、届いていますか?我々警視庁からも注意喚起することで、チラシとかも配っています。それと間違えて、捨てられたということはないですか?
【被害者】いいえ、ないですね。結局、私の名前でうちに送ってあるんですか?
【犯人】そうです。
【被害者】私の住所は、どうしてお分かりですか?
【犯人】あの~、やっぱ携帯契約というのはね。自分の身分証明を出して、本人の確認を取らないと簡単に入手できるものじゃないから、どこかで自分の個人情報が流出してしまう可能性も高いです。そういうことで、いろいろと取らせてもらいたいですね。

きっぱり「郵便物は来てない」

【被害者】今おっしゃったその郵便物というのは、全然一回も来ておりません。聞いておりません。
【犯人】ああ、なるほど。じゃあ、あの~、住所を確認したいので、郵便番号だけ教えてもらえますか?
【被害者】ちょっと時間いただけますか?電話を切って。

(電話を切る)

このあと女性は警察に相談し、実際に詐欺被害に遭うことはなかったということです。

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