私(記者)は昭和50年代後半から60年代にかけて、小学生時代を過ごしました。夏休み後半は毎年たまった宿題に追われていた記憶がありますが、わが家の小学生の娘を見るとタブレットでYouTubeの動画を視聴してばかりでなんだか余裕が感じられます。昭和の頃に比べて夏休みの宿題が減っている感じがするのは私だけでしょうか?

昔より子どもの夏休みの宿題が少ない?

株式会社ベネッセコーポレーションが全国の小学生4672人と保護者1728人を対象に行った調査によりますと、保護者の半数以上(56%)が「自分が小学生の時と比べて、子どもの夏休みの宿題の量は少ない」と回答しました。小学生の子どもがいる母親は夏休みの宿題について「私たちの頃に比べてプリント系がなくなっているので量が少なくなっているような気がします」と話します。

もっとも大変な宿題は自由研究・工作

前述の調査によりますと「もっとも大変な宿題は?」の質問に対し、子ども・保護者ともに「自由研究・工作」と回答した割合がトップでした。(小学生40%・保護者43%)

また、半数以上(52%)の保護者が何らかの形で「子どもの自由研究を手伝う」と回答。「手伝わずに子どもにまかせる」と回答した保護者はわずか3%にとどまりました。

長崎市科学館で夏休み期間の毎週水曜日に実験や工作を行っている「夏休み工作工房」には、夏休み後半になると多くの親子連れが訪れます。

自由研究や工作について「夏休み工作工房」に参加した小学1年生の男の子の母親は「手伝わないとできないので結局親が手伝ってするみたいな感じなので、負担にはなっています」と話していました。

また、小学2年生の男の子の母親は「親としてはいつまでにやろうねとか声かけをしながら、全部私が手伝うというよりは息子に自発的にやってもらいたいなと思っています」と話していました。

37年続いた「冊子の宿題」廃止に

長崎市教育委員会は夏休みの学習習慣の維持などを目的に、1986年(昭和61年)から「あじさいノート」という冊子を公立小学校の児童に配布していました。

2014年までは計算や漢字のドリルが含まれていたほか、去年までは平和学習や郷土学習が掲載されていました。しかし、それらの内容は児童が各自に貸与されている《学習用端末》で見ることができるようになったため、今年から「あじさいノート」は廃止されました。

長崎市教育委員会教育研究所の富永豊 主任指導主事は「あじさいノートの内容は学習用端末に引き継がれることになったが、夏休みの宿題の量は以前と大きくは変わらないのではないか」と話しています。

夏休みの宿題、昔と今。見た目で量を感じることができるノートやプリントから一見、量が見えないデジタルの端末へとその形は変わりつつありますが、子どもたちにとって逃れることができない夏の課題であることは昔も今も変わらないようです。

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