〈全国高校野球選手権 準決勝 京都国際3-2青森山田 21日 阪神甲子園球場〉

「頼れる3年生がいたりそういう人たちが守ってくれたおかげ…」。
青森山田の先発、下山の言葉が続かない。2対3の逆転負け。取材中も人目をはばからず泣いた。声を上げて泣いた。試合を振り返ったとき、思い浮かんだのはいつも助けてくれた3年生の姿だった。

大事な一戦を任された。この夏、3度目の先発登板。背番号「11」の2年生右腕は無我夢中で腕を振った。「きょうは自分の持ち味がしっかり出せた」。5イニングを投げ切った。3回を除き毎回走者を出し、3度得点圏に走者を背負った。それでも最速130キロ後半の直球と変化球を織り交ぜ、無失点に切り抜けた。

センバツではメンバー外だったが、県大会でアピールしてつかんだ今夏の背番号。「春(ベンチに)入れなくてそこから3年生が甲子園に連れて来てくれたおかげで自分も成長したので、連れてきてくれた人に感謝していきたいです」。

今大会は計3試合に先発し14回を無失点。大会を通して成長を重ねた。準決勝のマウンドに上がった姿は、エース関や櫻田といった3年生右腕に引けを取らない風格があった。

強力打線と圧倒的な投手陣を擁しても夢の全国制覇には届かなかった。
この夏を経験させてくれた3年生に下山は誓った。

「来年は自分たちが主力でやっていかなきゃダメだ。まずは先輩方の記録をしっかり越えられるようにまた来年もこの舞台に帰ってこれるようにやっていきたい」。

春8強、夏4強。青森山田の歴史を作った先輩方を越えるのが恩返し-。下山の視線はすでに来年の甲子園に向いている。

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