自民党は総裁選について9月12日告示・27日投開票とする日程を正式に決めました。これまでに11人が立候補に意欲を示していて、大混戦が予想されています。

選挙期間、なぜ過去最長に? 狙いは支持率アップか

南波雅俊キャスター:
混戦模様の自民党総裁選についてお伝えしていきます。

まず、19日にいち早く立候補を表明した前経済安保担当大臣の小林鷹之氏(49)は「不正には厳正に対処する」など、政策活動費の透明化についても言及しました。

また、立候補を表明した小林氏以外にも10人、合わせて11人の名前が挙がっている状況です。

そして、自民党総裁選の日程が決まりました。9月12日に告示、27日に投開票です。

基本的な流れは以下の通りです。

・立候補者が決まる
・国会議員票:367票、全国の党員・党友票:367票の合計734票で争われる
・投開票
・過半数に届かない場合:上位2人で決選投票
・過半数獲得の場合:当選

政治部官邸キャップの川西さんに、総裁選の狙いを聞きました。ポイントは、▼まず選挙期間が、過去最長の15日間になる。これまでは12日間程度でした。それから、▼メディアジャックを立憲民主党は懸念している点だということです。

TBS報道局 政治部 川西全 官邸キャップ:
今回の自民党総裁選のキャッチコピーが「THE MATCH」に決まりました。候補者が乱立していて、筋書きのない「出来レースではない真剣勝負である」とアピールしたい狙いがあるようです。

それに加え、選挙期間はこれまでで最長の15日間です。しかも、3連休を2回挟む形となりました。地方遊説や討論会を通じて、候補者の魅力や主張を伝えていきたいといわれています。

しかし本音としては、総裁選という“政治ショー”を長期間展開することにより、できる限り露出を増やし、自民党の支持率アップにつなげたいという思惑があるようです。

そもそも、岸田総理が総裁選に出ないと表明したときに、理由としては「解散総選挙で自民党を勝たせるために攻めの退陣をした」と解説していました。

総理自身も、自分のサプライズにより退陣を表明して以降「自民党総裁選がクローズアップされ、立憲民主党の動きなんてかすんでいるんじゃないか」というようなことを周囲に語っています。

なので、このような「思惑含みの総裁選」ということも、我々は理解していかなければいけません。

井上貴博キャスター:
総選挙で勝つための演出だと思いますが、これから各候補はきっと“脱派閥”ということを打ち出していくと思います。しかし結局のところ総裁選挙は、決選投票になると国会議員票が物を言います。そう考えると、権力争いで変わらない気がします。

表向きは“脱派閥”ときれいな言葉を並べ立てても、内情は派閥の理論で決まってしまうというのはまったく変わらない気がします。

川西全 官邸キャップ:
このあたりは政治家の方に聞くと、やはり「集まることの是非」というところを結構言っている人が多いと思います。

要は、「派閥をやめた=派閥の機能であった“人事とカネ”を切り離すこと」と岸田総理も言っていました。それが今回切り離されたのだから、集まること自体や、投票で好きな人を選ぶこと自体はいいじゃないか、というロジックが今、まかり通っているような気がします。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
やはり自民党の思惑という部分もあると思います。しかし僕自身は、派閥と関係なくいろいろな人が立候補できるようになり、性別も世代もさまざまな人がいて、これから選挙戦が進んでいくなかで、選挙に出た方々の本音や、考えていること、言葉を見ていきたいと思っているので、そこは楽しみにしています。

解散・総選挙はいつ? 10月27日投開票という見方も

南波キャスター:
総裁選の日程が決まり、解散・総選挙はいつなのか、というところにも注目が集まっています。

今後の日程は
▼9月23日:立憲民主党の代表選
▼9月27日:自民党の総裁選
▼秋に臨時国会
▼10月27日:広瀬氏辞職に伴う参院岩手選挙区補欠選挙

解散・総選挙はこの補欠選挙の同日か、あるいは直後かというような声が上がっています。

川西キャップは「新しい総裁で勢いをつけて早期解散との見方が多いが、誰が勝つか次第で変わる可能性もある」とみています。

井上キャスター:
今回の総裁選挙は「お金のかからない選挙にする」と自民党は言っています。それなら「結局このくらいかかりました」と公表するような透明性を求めたいと思いますが。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
「本当はそこにお金をかけなくてもできるんじゃないか」と思えるようなところは、選挙にはまだにたくさんあります。そのあたりの透明性も高めてもらい、いろいろな人がもっと政治の議論をするようになっていくといいなと思います。

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<プロフィール>
川西全
TBS報道局 政治部官邸キャップ 
元岸田派担当として岸田総理を計10年以上取材

松田丈志さん
元競泳日本代表 五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身 3児の父

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