新潟県内では早くも今年の新米が店頭に並びました。ただ、値段は去年より4割高く、流通関係者は今後出るコシヒカリなども軒並み値段が高くなると予想しています。背景にあるのは令和のコメ騒動とも言われる深刻なコメ不足です。

20日の柏崎市の農産物直売所です。開店とともにさっそく多くのお客さんが。
そのお目当ては…

【買い物客は】「葉月みのり」
       「葉月みのりを買いに来ました」
       「葉月みのり」

今年の新米、極早生品種の「葉月みのり」です。

店員が山積みにして準備をしますが開店直後からお客さんが次々と購入。10分もすると…
【記者リポート】「開店からまだ10分しかたっていないが飛ぶように売れて、もう補充が行われている」

さっそく試食した人は…
【試食した人は】「おいしかったです。みずみずしくて新米楽しみにしていたので」
ただ、気になるのはその価格です。5キロ当たり2880円と、去年より4割ほど高くなっているのです。

【買い物客は】「値段は高いよね。値段はものすごく高かったけど、そんなこと言っていられないよね。やっぱりコメがなかったらだめですよ」

背景にあるのは去年の猛暑です。首都圏などではコメ不足が深刻になっていて価格も上昇傾向にあります。
総務省の調査によりますと、東京都内のスーパーなどで売られている去年産のコメの価格は先月5キロ当たり2683円。前の年を2割ほど上回り、2007年以来の水準となっています。

待ちに待った新米。東京の友人や親戚に送るという人もいました。

Q「東京は米不足?」。
【東京の娘にコメを送る人は】「お盆に来た時にそう話していたので、じゃあ(新米が)出たら送ってあげるねって。20日だからここに来た」

JAえちご中越によりますと、今年は全量が一等米で前年並みの600トンほどを販売するとのことです。
【JA越後中越 直売交流課 村田貴宏 課長補佐】「予想以上の売れ行きで価格も高くなっていますが、心配しているものを吹き飛ばすくらいの売れ行きです」

さらにコメ不足は米どころの県内でも…

【記者リポート】「お米の入荷の数に限りがあるため、1人1袋の購入制限ができました」

在庫を見せてもらうと…
普段は50袋以上ある在庫がほぼなくなっていました。

【マルセン 太田雅悠 専務】
「お米はいつもあふれている状況が例年の様子なんですけど、今年はそんなこともなくて古米が全然なくなってきていて、果たして新米まで上手くリレーができるかなというところに不安を感じている」

買い物に訪れた人は…
【買い物客は】「お米が高くなると困りますね。お米が主食でやっぱりお米を食べないわけにはいきませんので」

【買い物客は】
「まあこんなもんでしょう。あちらこちら行くけど、どこも(コメの値段は)同じだね」
こちらのスーパーではは現在、仕入れ値が1キロ当たり100円~200円
高くなっていて、太田専務は新米はさらに上がると危機感を持っています。
【マルセン 太田雅悠専務】
「(新米が)1キロあたり100円~500円卸価格で上がるとなると、店頭に反映する価格を逆算してみると、少なくても300円~1000円くらい店頭売価で高くなってしまうのではないかなと」

今後の新米の価格はどうなるのでしょうか。
【米店の業界団体 日本米穀商連合会 相川英一 専務】
「(新米の価格は)上がるだけですね。(5キログラム当たり)2500円以下になることはない。2800~3200円。そういう形になるんじゃないかな」

相川さんの見立てでは今年の新米は例年に比べて2割ほど高い2800円から3200円程度になると見ていて、県産のコシヒカリは 5キロあたり3000円前後になるのではということです。

この価格はいつごろまで続くのでしょうか。
【日本米穀商連合会 相川英一 専務】
「業者や量販店の棚が埋まるまでは続くんでしょうね。秋、11月ころまではもうこのまま走るんだと思いますね」

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