地方の中小企業を悩ませる人手不足。若者の人口流出も課題となる中、学生自らが企画した企業見学ツアーが開かれました。その最大の特徴は“0円”です。
JR燕三条駅に集まった大学生たち。
「きょう、この企業見学を通して企業のことを知ってもらえたらなと思うので、ぜひいい1日にしましょう」
新潟県三条地域のものづくり企業を見学するその名も『0円バスツアー』です。何が0円なのかというと…
新潟大学 経済科学部 泉田和奏さん(3年)
「企業から帰省にかかる金額を負担していただくことで、0円で企業を回るというツアー」
学生が帰省するための交通費は、見学先の企業からの協賛金でまかなわれています。新潟県外の大学に通う人や県外出身の人は東京駅から燕三条駅までの片道の新幹線代、新潟県内の大学に通う人は大学の最寄り駅までの往復の電車代が支給されるため、学生はお金の心配をすることなく参加できます。
このツアーを企画したのは、若者の人口流出や地方企業の人手不足の現状などを学んだ新潟大学経済科学部の学生3人。課題解決の一手として地元企業の認知度アップを目指そうと、去年から開催しています。
ツアーではまず、ペンチなどの工具を製造・販売する三条市の会社を訪問。製造工程を見学したほか…
学生
「お仕事の中で印象に残ったことは?」
社員
「自分が学生の時に勉強してきたことは全然違うことだったので、したことがないこと・関わったことがないことって、やっていて楽しいこともいっぱいある」
地元企業で活躍する若手社員に、就職の決め手や働きがいについて直接話を聞きました。
参加した学生
「就職は地元で何か力になれればなと思っていたので、今回の企画にも参加させていただいた。地元で活躍できるんだと思って、とても参考になりました」
続いて学生たちが向かったのが、見附市にあるIPS PLIERS(アイピーエス プライヤ)です。
掴んだり挟んだりする際に使う『プライヤ』という工具を手掛ける国内唯一の専門メーカーで、学生たちは社員から説明を受けながら、普段目にすることのない製造工程をじっくりと見学しました。
IPS PLIERS 内山航洋 代表取締役
「実際に足を運んでみたら、『もしかしたら自分が働くべき会社はここなのかもしれない』というフィーリングや感覚がすごくあると思う。それを実際に触れて、心で体感できるのは、学生にとっても企業にとっても双方メリットがあることだと思う」
学生も企業もwin-winの『帰省0円バスツアー』は8月23日にも開かれます。
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