あたため・・・解凍・・・あるいは、調理で日常生活に欠かせない家電、電子レンジ。普段何気なく使っていると思いますが、皆さん、本当に、本当に正しく使えていますか?
使いこなせているようで、意外と知らないことも・・・いまさら聞けない、電子レンジの正しい使い方をご紹介します。
まずはお皿の正しい置き方から
奥野粋子アナウンサー
「早速ですが、今日はスタジオに電子レンジを2台用意しました。ゲストの小川さん、こちらの2つの電子レンジにいつも温めている時のようにお皿を置いてみてください」
ゲスト・小川仁志さん
「両方とも真ん中に堂々と置きます。何の間違いもないんじゃないでしょうか」
奥野アナ
「小川さん、残念。1つは正解、1つは不正解です!というのも、この2つの電子レンジ、タイプが違うんですよ。まず、左側の電子レンジですが、中に回転台がついていますよね。こちらは、食品をあたためる際に、このお皿の部分が回転するターンテーブル式です」
「そして、右側は、回転台がついていないフラット式。こちらはお手入れがしやすいということでも人気のタイプですね。この違いによって、食材の置き方も少し違うそうなんですよ。どう違うのか、そして、なぜ違うのか、詳しい方に聞いてきました」
電子レンジのタイプに応じた置き方を
向かったのは、家電量販店、エディオン山口本店。生活家電アドバイザーの資格を持つ黒田さんに教えてもらいました。
まずは、ターンテーブル式の電子レンジ。
生活家電アドバイザー・黒田亜沙実さん
「一般的には、ターンテーブル式の場合は、側面の方からマイクロ波が放出されますので、真ん中を避けて、端のほうに置いていただくといいと思います」
ターンテーブル式は、食材を温める「マイクロ波」という電磁波が側面や上部から決まった方向に放出されます。そのマイクロ波を食材に均一に当てるためにテーブルが回転する…という仕組みなんです。つまり、中心に置いてしまうと、マイクロ波が同じところにしか当たらず、加熱ムラができてしまうんです。
一方、フラット式は・・・
黒田さん
「フラットタイプについては、底面の下の方に回転アンテナというものが内蔵されておりますのでそちらの方が回転することによって、マイクロ波が庫内全体に放出されますので、真ん中に置いていただくことによって、より効率よくムラがなく温まります」
こちらは、マイクロ波そのものを拡散させることで加熱ムラなく温めるというもの。食材を中心に置いておけば、あらゆる角度からマイクロ波が当たり、効率よく温められるそうです。
奥野アナ
「ということで、電子レンジのタイプによって食材を置く場所が違うんですよ。ですので、例えば、耐熱皿で食材を温めたいときは、こちら!」
ターンテーブルタイプのものなら真ん中をあけて食材をドーナツ状に、フラットタイプであれば、中央をあけずに並べて加熱するといいそうです。
料理のプロに聞く「おいしく温めるコツ」
さらに、こんなことも調べてみました。
「電子レンジで、食材をおいしく温めるコツは?」ということで、料理研究家の影山みづきさんに聞いてみたところ、このような回答をいただきました。
「あたためる物」によってアイテムを使い分けるのがポイントなんだそうです。こちらをご覧ください。
スタジオにいろいろな食べ物のイラストを用意しました。スタジオ テーブルディスプレイグループ別に左から
A 天ぷら、唐揚げ
B 冷凍ごはん、カレー、肉じゃが
C うなぎの蒲焼き、焼き鳥
これらの3グループをそれぞれ電子レンジで温める際に使うと効果的なアイテムがあるんです。それが、こちらの3つ。ラップ、クッキングペーパー、そしてクッキングシート(オーブンシート)です。さて、みなさんどのグループにどのアイテムを使えばいいと思いますか?
奥野アナ
「では、まず小川さん!ラップはどれに使うと思いますか?」
小川さん
「これはBでしょう。いつもやってますから」
冷凍ごはんはラップをかけて
正解は・・・「B」冷凍ごはん、カレー、肉じゃがのグループです。こちらは、「しっとり」仕上げたいときに使います。インサートラップは、食品の熱が逃げるのを防いで、あたたまりやすくする役割を果たします。加えて、水分蒸発が多い食品の乾燥も防いでくれるのでふんわりとラップをして温めると、しっとり仕上がるんだそうです。ただ、十分に水分のあるごはんに関しては、ラップをしてしまうと水分が多すぎてべちゃっと仕上がってしまうのでラップをかけずに温めた方がいいそうです。
ラップをゆったりと覆うようにかけるのもポイントです。ラップを隙間なくぴったりとかけてしまうと、蒸気の圧力で裂けて、高温の食材が飛び散る危険性があるので注意が必要です。
奥野アナ
「さぁ、続いてまいりましょう。永岡さん!クッキングペーパーは何に使うと思いますか?」
永岡克也アナウンサー
「油の多そうなAじゃないですか」
揚げ物にはクッキングペーパーを
正解は・・・「A」。天ぷら、唐揚げのグループです。こちらは、「カラッと」仕上げたいときに使います。耐熱皿にクッキングペーパーを敷いて、ラップをかけずに加熱します。そうすると、水蒸気がこもらず、余分な水分はクッキングペーパーに吸収されるのでベタつかずにカラッと仕上がるそうです。また、揚げ物の余分な油分も吸収してくれるので、カロリーダウンにもつながるということで、おいしくヘルシーに味わえるなんて一石二鳥ですよね。
ちなみに油を吸収するという点でこんな応用テクニックもあります。水でぬらして軽くしぼった厚手のクッキングペーパーで油揚げを包んで加熱すれば、簡単に油抜きができちゃうんです。お湯を沸かしてかけるとちょっと手間なので、おすすめですよと、影山先生から応用編として教えていただきました。
タレ付きはクッキングシートが正解
さぁ、では、最後に「クッキングシート」にまいりましょう。こちらは「C」のうなぎの蒲焼き、焼き鳥のグループ。タレのついた焼き物を「こがさずにふっくら」仕上げたいときに使います。
電子レンジのマイクロ波は、塩分や糖分の多いところに集中しやすく、部分的に早く加熱されるので、こげやすくなるんだそうです。このように、クッキングシートではさむように加熱すれば、お皿などにこびりつかずに上手にあたためられるということです。
その他には、加熱しすぎないこともポイントだそうで食品が固くなったり、風味が落ちる原因にもなるのではじめは標準時間より少し短めに設定して、様子をみながら追加の加熱をしていくのがおすすめということです。
正しく使って料理をよりおいしく
さて、電子レンジの正しい使い方とポイントをご紹介しましたが、ここであらためて、結果をおさらいしましょう。
①電子レンジはタイプに応じた使い方を。ターンテーブルタイプは食材を端に、フラットタイプは真ん中に置きましょう。
②食材に応じてアイテムを使い分けるのがおいしく温めるコツです。冷凍ごはん、カレー、肉じゃがのように「しっとり仕上げたいもの」にはラップを、天ぷら、からあげなど「カラッと」仕上げたいものにはクッキングペーパーを、そしてうなぎの蒲焼きや焼き鳥のようなタレのついた焼き物を「こがさずにふっくら」仕上げたいときにはクッキングシートを使いましょう。
ここまで聞いてみて、木村さん、いかがでしたか?
木村智美アナウンサー
「いや~、知らなかったです。早く教えてもらいたかったですね。今まで、ラップを使うか使わないかの2択でした」
奥野アナ
「そうですか。私も何でもラップをかければいいと思っていたので、考えが変わりました」
この機会に我が家の電子レンジがどちらのタイプなのかなど、見てみてください。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。