終戦から79年。SBSテレビのアーカイブから、静岡県内に今もなお残る戦争の記憶を辿ります。(2015年に撮影・放送されたものを再構成したものです)【SBSアーカイブより】

【2】「神風」訓練地に残された壁(静岡県牧之原市)
全国有数の茶の産地、牧之原市。広大な茶畑の一角にかつて海軍の航空隊の訓練地がありました。

1942年4月、この場所に大井海軍航空隊が発足。偵察搭乗員の養成所として約3000人の訓練生がいました。入り口だった場所の近くに今も当時を語るものがあります。

畑の横に積まれているレンガはかつての外壁の一部です。1945年に戦局が悪化し、大井海軍航空隊からも神風特攻隊が結成されました。昼間訓練をすると敵軍に見つかり撃ち落とされてしまうので、夜、海の上で突っ込む訓練をしていたといいます。

特攻の訓練機の一つ「白菊」のエンジンは現在、地元のコミュニティセンターに展示されています。

終戦を迎え、大井海軍航空隊は解隊。出撃の機会はなかったとされていますが、特攻の訓練では海に沈んでしまったり山の中腹に激突して墜落した飛行機も少なくなかったといいます。それほど命懸けの訓練でした。

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