みなさんはご存じでしょうか。
いま急成長を遂げているスーパーマーケット「ナナーズ」。
長野県川上村が発祥のこのスーパーは、普通とは少し違ったやり方でお客さんの心を掴んでいます。


新鮮な川上村産のレタスに、上田市の養豚場が育てたブランド豚「信州太郎ぽーく」。

天井が高く開放感のある店内に商品が高ーく積み上げられています。


ナナーズ・菊池潤一統括本部長:
「かなり高く積んで迫力を出しています。ティッシュ、トイレットペーパー、オムツは、うちがかなり安いと思います」

ナナーズ東御店。

東御市の幹線道路沿いに2023年3月にオープンしました。

男性客:
「魚関係はだいたいいいんじゃない。野菜もこれからいいし」
女性客:
「川上村にしかなかったスーパーなので、近くにできてすごくうれしいです。川上産のレタスが買えるのはここだけなので、肉も太郎ぽーくという美味しい肉が売っているので大ファンです。すごくいいですよ」

いま急成長を遂げているスーパー「ナナーズ」。


東信エリアに4店舗を構え、年間の売上はおよそ40億円。

2022年度と比べた2023年度の売上げの伸び率は、県内のスーパーマーケットの中でトップです。

その発祥は、国内一のレタスの産地として知られる川上村。

およそ4700人が暮らす、信州で最も東に位置する村にナナーズの1号店があります。

そして村でただ1つのスーパーです。



客:
「なくてはならないものだよね。山梨まで行くわけにいかないし」
客:
「なくてはならない存在です」

創業は101年前の1923年。

30坪ほどの広さの雑貨を中心に販売する「菊池商店」として開店しました。

その後、3代目となる今の社長が1995年に、広さ300坪ほどもある「ナナーズ」をオープンさせたのです。

ナナーズ・菊池潤一統括本部長:
「株式会社ナナーズとして出させてもらった時に、川上村の人たちに支えられて今があるというのを社長が一番大切にしていることなので、この先(川上村の)人口が減って客が減ったとしても、このスーパーを存続させるために他のスーパーを展開させていく」

急成長を遂げるナナーズ。

多くの人に支持される4つの仕掛けがあります。

(1)「リクエストは即反映!地域によりそった品揃え」

菊池潤一統括本部長:
「こういったアヒル肉とかカエル。(川上村では)農家が実習生という形でベトナムの人だったりの受け入れを夏にしている。そこでお客様自体も外国籍の人が増えているので、そこにあった売り場というのをなるべく提供したい」


店舗ごとに受けつける「お客様リクエスト」。

客が、欲しい商品を電話やメールなどで依頼すれば最短3日で店先にその商品が並びます。

ほぼ客のリクエストだけで埋まっている棚もあるほど!

客一人ひとりのニーズに寄り添います。

(2)「買い物をするだけじゃない!誰もが集える憩いの場に」

すべての店舗には、誰でも自由に使えるスペースが設けられているのが特徴です。

ナナーズ・菊池潤一統括本部長:
「冷蔵庫が空になったから来るというだけでなく、普段から皆様が集まって交流があるような所にしたいというのが一番ですね」


東御店の2階には、カフェスペースだけでなくキッズコーナーまで。

みんなの「居場所」となる空間作りを心がけます。

子連れの女性客:
「スーパーだけどスーパーじゃない、ここだとふらっと寄って行って帰ってこられるという感じ。ちょっと遊ばせてお昼買って帰ろうかという感じで、併用できるのでとてもありがたい」



(3)「時代に逆行?!アナログなレジ業務」

支払いが済んだ商品はスタッフが必ず袋詰め。

レジ袋の有料化以降は、対象外となる植物由来の環境に配慮した袋を無料で配布しています。


おなじみになったセルフレジは1台もなく、対面での会計にこだわっています。

女性客:
「いらっしゃいませとか、袋を付けるのもここはちゃんとしてくれますし、お年寄りの方に袋詰めしたものをカートにのせてあげたりとか、運んであげたりとかしている姿を見るので、すごいなとは思います」

会計は「お客さんとの最後の接点の場」と位置付けるナナーズ。

店内にはたくさんの「ありがとう」があふれます。

ナナーズ・菊池潤一統括本部長:
「色々なスーパーは基本的には沢山の客を呼びたいので価格という所を重視しますが、そこじゃない。袋詰めをさせてもらうという所で、客とのふれあい中でスーパーの存在意義が、物を買うだけじゃないという所を一番大切にしている」

そして、4つ目は…。

(4)「川上村ならでは!新鮮野菜を直送」

菊池潤一統括本部長:
「川上村ならではということで、直送でやらせてもらっています。ほとんどのスーパーは市場で一回野菜が寝かされる1日2日、それがスーパーに届くが、(ナナーズは)鮮度を保つためにそのままお店に持ってくる」

レタスや白菜などの仕入れは、地元の生産者と年間契約を結んでいます。

新鮮な野菜が並ぶのはもちろん、市場の変動に影響されないのも強みです。

効率化を進める企業も多い中で、ナナーズが最も大切にするのは「おもてなしの心」。

これからも独自の戦略で挑戦を続けます。


菊池潤一統括本部長:
「時代がデジタル化していく中で全てアナログでスタッフがやるという所に重きを置いているので、お客様とのふれあい・お客様を感動させたい、大きい話をすると日本に今足りないような所が必要とされる、年配のお客様が親しみやすいという所でナナーズの存在の価値を作っていきたいと思っています」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。