お盆期間、実家に集まったり、お墓参りをしたりという方も多いと思いますが、時代とともに、お墓や墓参りの形も変わりつつあります。墓じまいをする人も増えていますが、金銭トラブルに発展するケースも…。お盆の今、改めて“お墓”についてまとめました。

増える「墓じまい」そのワケ

 そもそも「墓じまい」とはー墓に眠る先祖代々の骨を取り出して違う場所に移動し、墓石も撤去。場所は更地にして返還するということです。行政などでは『改葬』とも言われています。

 墓じまいの件数は20年で倍以上に急増しているというデータも。その背景には墓だけではなく、葬式も含めて、簡素化していこうという時代の流れがありました。さらに「家族の形の変化」や「経済的理由」、「宗教的な繋がりが生活から離れつつある」ということも要因に。先祖や両親を思う気持ちは変わらないですが、多様化が進んでいるのかもしれません。

 もう一つ、簡素化が進んだのには意外な理由があります。それは「長寿」になっているということ。お見送りをしようという背景には、悲しみが強いということも、もちろん一つの要因でした。長寿化すると「大往生で、おじいちゃんおばあちゃんよかったね」と、ある意味幸せだったと思える亡くなり方が、簡素化に繋がるという一因にもなっているようです。

樹木葬にビル内の納骨堂、さらには『メタバース霊園』

 民間会社が実施した購入しお墓の種類に関するアンケートによりますと、今、一般的な石の墓を選ぶ人が21.8%、「樹木葬」を選ぶ人が48.7%だといいます。そしてビルの中の納骨堂におさめるという人も19.9%いました。

さらに、8月上旬開始予定の『メタバース霊園』まで。ここでは動画なども流せるので思い出とは、ある意味接しやすい空間になるのかも知れません。

「お墓」の歴史 その昔はどうだった?

 近世では親の遺体を燃やすこと自体が、良くないとされていたということです。

 江戸時代には今に近い流れができてきた。1630年代に『寺請制度』が始まります。これは政治的な意味でした。キリスト教の弾圧で排除するために、一つの村に必ず一つのお寺を作りました。そして全員檀家さんになってくださいと、ある意味強制的に仏教徒になった時代でした。その時に今の戸籍の原型になった「宗門人別改帳」も創られました。

 このときに国民が強制的に仏教徒にされたため、お葬式やお墓も仏式に。仏教の世界では『輪廻転生』魂と体を切り離すために燃やすということが、昔からあったため、火葬になっていきました。

【明治維新】
 『神仏分離令』で神道を国教にしようという政治的な動きでが出てきます。そして、仏教は駄目。火葬も禁止となり、「土葬」になりました。しかし、数年である課題に直面します。ー土地が足りないー。その時に造られたのが、現在は都会のど真ん中にある「青山霊園」「谷中霊園」でした。
 ところが衛生面で感染症伝染病であったり、土地不足で大混乱して、この土葬はわずか2年で火葬に戻されることになりました。

簡単にはできない・・・「墓じまい」

墓じまいしようかなとお考えの方、なかなか大変だそう。新しいお墓を決めるだけの方に比べて、墓じまいをして、移動先を決めるということは「倍の労力」と思ってください。手続きも大変、トラブルにも気をつけなければなりません。

【墓じまいの手順】
① 親族と話し合い同意を得る
② 現在のお墓の管理者から「埋葬証明書」
③ 新たなお墓から「受入証明書」
④ ②③を揃えて自治体から「改葬許可書」
⑤ お骨の移動(僧侶に閉眼供養の依頼)
⑥ 墓石を撤去して墓地の使用権を返却

一番大事なのは、①の親族で話し合って同意を得るでした。

 1人でも意見が違ったら話は後でこじれる可能性があるため、これを必ずしないと、『お墓参り行ったら急にお墓がなくなっていた』と親戚が知らないところで墓じまいをするトラブルなども起こるかのうせいがあるということです。そのため必ずこれをまずしてください。お墓は、入る人の思いと、お参りする人の思いがまた違うということもあるということです。

お墓にまつわる金銭トラブル「離壇料」

 例えば寺や霊園から出るときに「離壇料=檀家を離れるためのお金」が必要でトラブルになるケースがあるようです。国民生活センターからも情報が出るほどで、しょうがないのかと思って払うのは、少し考える必要があるかもしれません。

 離壇料の相場は数万円から高くても数十万円というのが一つの目安としてあるそうで、離壇料を取らないところもあります。場所によって違うそうですが、「離団料が数百万円」と言われると、どう考えてもおかしいということになります。それでも払わないと証明書がもらえないとなると話が進まないため、消費者センターや自治体に相談すると、証明書なしで次の段階に勧めてくれる場合もあるそうです。

“永代”供養なのに期限付き!?

 本来の意味は、一般的な個別のお墓ではなく、身寄りがいないなどの理由から、合同で複数のお骨を入れ、お寺や霊園で面倒を見るいう意味合いでしたが、最近は樹木葬や納骨堂で永代供養とうたいながら実際期限がついているものがあるといいます。

 子供や孫に負担かけないために永代供養の形を選んだにもかかわらず、17年後、33年後に戻ってくるパターンがも・・・。契約書などをしっかり確認をして「永代」の言葉に釣られないようにしましょう。

 多様化し、様々な選択肢やトラブルが生じている、現代のお墓事情。改めてこのお盆の時期に家族や親族でお墓について考えてみてはいかがでしょうか。(2024年8月13日 「4ちゃんTV」)

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