夏の風物詩、子どもたちのラジオ体操。およそ100年前から続くラジオ体操は、子どもの運動不足解消や生活サイクルを整えるなどのメリットがある一方で、近年は規模を縮小したり行わない地域も。在り方が変化しています。地域のつながりを強め、どう継続していくのか、令和のラジオ体操の現状を取材しました。
「いってきまーす」
朝6時15分。元気よく家を飛び出す子どもたち。向かう先は近所の公園です。一番下の子はまだ眠そう。
「眠いです、起きたばっかり」
ー宿題は順調?
▽子どもたち
「あと“がんばりノート”と自由研究だけ」
「宿題がまだあったんだ~」
夏休み真っ最中の子どもたちが大勢集まってきました。豊見城市の豊崎地域では、新型コロナの影響で中止していた夏休みのラジオ体操を今年から再開。70人以上の子どもたちが毎朝、ラジオ体操に参加しています。
▽子どもたち
「早起きは大変だけどやりたい」
「すっきりする」
▽保護者
「(新型コロナで)ラジオ体操をするのは難しかったが、地域でできるということで嬉しい。みんなで集まれることは防災面でもいいかなと思っています」
全国ラジオ体操連盟によると、その始まりは1928年。健康増進を目的に、昭和天皇の即位を記念し制作された「国民保健体操」がラジオで放送され、以後、ラジオ体操という名称で親しまれるようになりました。
夏の風物詩だった子どもたちのラジオ体操は、近年は期間を縮小したり、行わない地域も。大人たちの協力が不可欠な反面、昔と比べ、地域の協力体制や働き方が変化していることなども、その原因とされています。その一方で!
▽小学校高学年の児童
「家でやることがないから、ゴロゴロしていて運動しなくちゃと思って参加している」
「ラジオ体操第一」は、およそ650個ある全身の筋肉や関節のうち、400個を刺激し、さらに、より運動量が多い「第二」まで行うと、ほどよい全身運動になるといいいます。
運動不足解消のほか、夏休みで不規則になりがちな子どもの生活サイクルを整えることや、親以外の大人とコミュニケ―ションを取るなどのメリットもあります。
▽保護者
「今メンバーが51人いて、きょうは(体操)開催します中止しますとか連絡がきたり、子どもたちはこういった様子でしたよ、とみんなで連絡とれるのは凄く新しいなと感じます」
グループチャットの今時のツールを活用する保護者たち。これまで顔を知らなかった近隣住民との仲間意識が生まれたといいます。
ラジオ体操を通じて地域のつながりを強め、大人が子どもを見守るほか、災害時などには協力できる体制構築も目指しています。
▽保護者
「地域と、学校やPTAも関わることで保護者も関わりやすくなったと思う。なによりも子どもたち優先で地域で見守っている、ラジオ体操を通してつながっている。コロナ禍明けでラジオ体操をやってよかったなと思います」
ラジオ体操が終わり、1か所に急いで集まる子どもたち。まだこの風習は残っていました!なぜか嬉しいハンコタイムです!
▽小学6年生の児童
「小学校最後で、(中学生になると)地域の人と関われなくなってしまうと思うので、6年生の間に地域の人と関わって、雰囲気を良くしたい」
ー中学生になってもラジオ体操をしたい?
「したいです。友だちが増えるのが一番好き」
働き方や地域のつながりなど社会のあり方が変わっても、早朝から元気よく!令和の時代に合わせた、地域をあげた子どもたちのラジオ体操は続きます。(取材 島袋剛)
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