「グリ下の帝王」と呼ばれ、未成年者らを自宅に連れ込んで向精神薬らを譲り渡していた罪などに問われている男。被告人質問で「僕の存在がダメやなって」などと、後悔の念を語りました。

起訴状や検察側の冒頭陳述などによりますと、浦野那生被告(31)は、以下の罪などに問われています。

▽去年11月頃、インスタグラムのダイレクトメッセージ機能を通じて、“家に来れば向精神薬がある”などと言って東京に住む女子中学生を誘い、大阪市内の自宅に連れ込んで寝泊まりさせた罪(未成年者誘拐)

▽去年12月から今年1月にかけ、その女子中学生や別の未成年者らに向精神薬をゆずり渡した罪(麻薬及び向精神薬取締法違反など)

浦野被告は、大阪・道頓堀の戎橋下の遊歩道エリア、いわゆる「グリ下」にSNSや口コミなどを通じて集まる、自傷癖や薬物過剰摂取(オーバードーズ)癖のある未成年者らを、向精神薬をゆずり渡したり自宅に寝泊りさせたりするなどして手なずけていたとされ、「グリ下の帝王」と呼ばれていました。


◇“逃げ道としてオーバードーズをしていた”

8月14日、大阪地裁で開かれた公判。長かった髪の毛を切り、短髪で法廷に現れた浦野被告。入廷時、眉をひそめながら傍聴席を見渡し、着席してからは何度か深呼吸しました。

被告人質問で浦野被告は、自身もオーバードーズをしていたと供述し、弁護人から「拡散させていた自覚はありますか?」と聞かれると。

被告「はい。僕の存在がダメやなって」「オーバードーズする子には『やめや』とって声をかけるべきだった」
「自分のSNSはやめて、連絡も遮断しようと思っています。グリ下には近づいたりしません」


◇西成の闇市で買っていた

また、被告は向精神薬などの入手ルートについて、「西成の闇市で買っていた」と供述。大阪府警が摘発に力を入れている、大阪・西成の“ヤミ露店”で薬を入手していたと明らかにしました。

一方、検察官から「向精神薬の譲渡やオーバードーズの危険性を認識していなかったのか」と聞かれると、「捕まる前だったので、そこまで考えられていませんでした」と述べました。


◇「『帝王』と呼ばれて女の子が寄ってきた」

不同意性交等の罪でも起訴されている浦野被告。被告人質問では、その“女性関係”にも焦点を当てたやり取りが展開されました。

弁護人「女性に貢いでもらったお金で生活していた?」
被告「そうです」

検察官「未成年が貢いでいるのは、あなたが仕向けてはいない?」
被告「仕向けてるとは思いません。貢ぐのが連鎖的になっている」

検察官「競わせるようにしているのは、ホストで培ったのではないか?」
被告「そうです。ホストを4年間やったので、そこは否定するつもりないです」「感覚が麻痺して、『グリ下の帝王』と呼ばれて女の子が寄ってきた。今となってはあかんと思う」

次回の公判は、9月12日に開かれます。

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