おととし3月、最大震度6強の福島県沖地震が発生しました。あれから2年5か月、被害を受けた相馬市の旅館が、8日、営業を再開させました。

井上和樹アナウンサー「たくさんの花がありますね」
いさみや・管野功さん「自分自身もびっくりした。花を見るとやっとスタートに立てたんだなと思えて嬉しくなる」

相馬市松川浦で旅館を営む、管野功(いさお)さん(47)。8日、新たな建物でおよそ2年5か月ぶりに営業を再開させました。

おととし3月に発生した福島県沖地震。最大震度6強を観測した相馬市では、5000棟あまりが被害を受け、管野さんの旅館「いさみや」も休業を余儀なくされました。

いさみや・管野功さん「建物自体が斜めになっている。心が折れている一番の理由ですね。基礎が大丈夫だったら直して掃除して営業再開するぞとなるんだけど」

旅館の被害は大きく、取り壊しという苦渋の決断を強いられました。

管野功さん「砂利のところが旅館があった場所。今は壊してしまって更地になっている。悩みましたね、すごく。どうしたら良いのか本当に悩んで、決断を下すのには、結構時間がかかった」

再開した旅館 目玉は「浜焼き小屋」

旅館の再開に向け、7月、松川浦沿いに新しい建物が完成。設けられた8つの客室は、以前よりも広く、家族連れが利用しやすいようになりました。生まれ変わった旅館で一番の目玉だという場所に案内してくれました。

井上アナ「ここはどんなスペースなんですか?」
管野さん「ここは浜焼き小屋です」

近くに建てられたのは、宿泊客が利用できる「浜焼き小屋」。管野さんにとって浜焼きは“復興の象徴”です。管野さんは、休業中、ほかの旅館と浜焼きのイベントを行い、観光客を松川浦に呼び戻そうとしてきました。

管野さん「松川浦の浜焼きって、大きいカレイとかを丸ごと1匹、1本で刺してここで焼き上げるスタイル。食べるのもおいしいけど、体験して松川浦を楽しんでいただきたい」

地震を乗り越え、旅館を再開させた管野さん。観光客でにぎわう松川浦の姿が戻ってくることを願っています。

管野さん「コロナだったり、地震だったり、大変な時期はあったが、今後は松川浦の魅力を県内外に発信して、たくさんのお客さんに来てもらえたらいいなと思う」

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