8月11日は、山に親しみ、山の恩恵に感謝する「山の日」。2024年の夏山シーズン、富士山は登山客でにぎわっていますが、例年とは登山のあり方が異なり、安全な富士登山が一層求められています。

<東部総局 青島悠記者>
「静岡県小山町の富士山須走口五合目です。『山の日』とあって、多くの登山客が訪れています」

8月11日の富士山は快晴で、絶好の登山日和でした。

<埼玉県(左の男女)と宮城県(右男性)からのグループ>
「お鉢巡りして、山のポーズとってました」
「『山の日~』ってやった」

<神奈川県からの家族>
母「やっぱ日本一っていうところ。あと、世界遺産。家族で登るの初めてなので」
娘「みんなで楽しくなれるよう、みんなで楽しく登りたいです」

世界に誇る日本の最高峰・富士山。須走口には、多くの外国人が登りに来ていました。

<中国・山東省から来た登山者>
Q.どちらから?
「中国の山東省から。今回の1番の旅行の目的は富士山に登ることです」

<中国・吉林省から来た登山者>
「富士宮口と吉田口と比べてみて、須走口はすごく綺麗な場所で良かった」

富士登山のあり方は2024年、大きく変わりました。静岡県側では「事前登録」制度を導入。一方、山梨県側では登山者数を上限4,000人に制限し、夕方4時には吉田口の登山道を閉鎖しています。

<東富士山荘 米山千晴代表>
「全体的にやっぱり、登山者が見てわかる通り少ない。これはもう今年最初の頃はみんな(山梨側から)弾丸登山が回ってくると思ったけど、やっぱり午後4時で規制されてるっていうことが、やっぱり午後4時以降に登れないというイメージに囚われてる。だから少ないね。しかしながら、須走口は登山者は少ないけど、外国のお客さんは増えてる。確実に」

環境省が公表している富士登山客数は、2023年と比べると、静岡・山梨いずれも減少。静岡側の3つのルートでは4.9%下がりました。登山者数が2023年より減っている一方で遭難は多発。静岡県警の救助隊の出動は「山開き」から8月11日までに20件を超え、既に4人が死亡しています。

8月11日に富士山登頂2236回目を果たした“ミスター富士山”實川欣伸さんに富士登山の厳しさを聞きました。

<富士山に2236回登頂 實川欣伸さん>
「基本的には、風。風がもう風速20メーター前後だったら、もう風速15メートル以上吹くと、もう体もよろめきますからね。それと、突風吹きますから、富士山は。そうしますともう上りはともかく下りですと、滑落の原因になりますから」

命を守るためには正しい判断が求められます。

<富士山に2236回登頂 實川欣伸さん>
「判断で無理だと思えば、さっとやめます。それこそ9合5勺までいってても諦めますしっかりと諦める時は諦める。山は逃げないですから命は1度しかないですから」

世界文化遺産の富士山。富士登山のあり方が変わる中、登山客の意識も問われています。山小屋の米山さんによりますと、2024年は登山客が減っているにもかかわらず例年より2、3割ごみ(食べ残し、濡れた衣類)が多いことが課題だということです。改めて、ルールを守る意識を見直すことが求められます。

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