太平洋側から上陸した「台風5号」は東北地方を横断しながら、県内各地に雨と風をもたらしています。県内では14日にかけて土砂災害などに注意・警戒が必要です。

12日朝、岩手県に上陸した台風5号。東北の太平洋側では台風周辺の暖かく湿った空気が流れ込んだことも影響して、県内でも断続的に雨が降りました。

午前10時半ごろの十和田市の奥入瀬川。川の水は濁り、勢いを増して流れています。

県内では、10日の降り始めからの雨量が三戸で83.5ミリ、新郷村戸来で78.5ミリを観測しました。

市川麻耶キャスター
「午前7時半の八戸市です。1時間ほど前よりもかなり風が強くなってきました」

八戸市は11日、約1万世帯・2万3000人あまりに避難指示を出し、最大で132人が避難しました。

避難した人は
「ゆうべから避難所へ来ていました。眠っていない。私の家の裏に川がある。今回は、心配で…」

雨と共に「強風」も…

強い風も吹きつけました。八戸市では、午前6時過ぎに21.5メートルの最大瞬間風速を観測。県内各地で倒木も発生し、三戸町、七戸町、五戸町で道路を塞いだ木の撤去作業が行われました。

台風5号は、時速15キロというゆっくりとした速度で東北地方を横断し、この後、日本海に進む見込みです。

異例の進路をたどる台風に、リンゴ農家も警戒を強めています。
鰺ヶ沢町では、実の落果被害や枝折れ防止のため、追加で支柱を立てる人の姿が見られました。

リンゴ農家は
「いままでにないパターン。太平洋側から津軽海峡や日本海側へ向かう台風は、あまりなかった。どういう形になるのか想像がつかない。風がどのくらい強くなるのか心配…」

気象台によりますと、13日午後6時までに予想される24時間降水量は、津軽で120ミリ、下北と三八上北で80ミリで、県内は14日にかけて大雨による土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に注意・警戒するよう呼びかけています。

深浦町の様子は…(午後6時過ぎ現在)

台風5号はゆっくりとした速度で東北地方を横断し、今後は日本海側でも大雨に注意・警戒が必要です。青森県深浦町の午後6時過ぎの様子は…。

須崎蓮記者の報告
「深浦町では、今のところ雨は降っていません。気象台によりますと、夜の初め頃にかけて雨雲が広がってくると見られています。青森県内はこの後、津軽地方を中心に大雨となるところがある見込みで、町の人に話を聞きますと、『昼より夜に大雨になるほうが怖い』『懐中電灯などを用意するが、落ち着いて眠れない』と不安を口にしていました」

「ここ、深浦町では、2022年8月に発生した大雨により、各地で冠水や土砂崩れが発生し、家屋が倒壊したほか、一部の地域が孤立状態となるなど、甚大な被害が出ました。県によりますと、県道岩崎深浦線や十二湖公園線などが、12日午後1時から大雨を警戒した事前の全面通行止めとなっています。台風5号は東北を横断して日本海側に入った後あと、北上して熱帯低気圧に変わる見込みで、その熱帯低気圧の影響を受ける恐れがあり、住民たちは不安な夜を過ごすことになります。以上、深浦町から中継でお伝えしました」

避難指示が継続されている地域は…

12日午後6時現在で、青森県内に警報は出されていませんが、八戸市は約1万世帯・2万3000人余りを対象にした避難指示を継続してます。改めて避難指示が出されている地域をお伝えします。対象地域と世帯、人数です。

市川町、諏訪、小中野、石手洗、是川、島守、櫛引、豊洲、高州、八太郎、石堂…

下長、長苗代、河原木、根城田面木、一番町、尻内町、上野、八幡…

南郷島守・西地区、大館地区、是川地区、南浜地区、鮫地区、大久保地区、白銀地区、湊地区、町畑地区、吹上地区、類家地区の土砂災害警戒区域です。

内丸地区、長者地区、根城地区、田面木地区、館地区、上長地区、豊崎地区、根岸地区、高館地区、桔梗野地区、多賀台・轟木地区の土砂災害警戒区域です。

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