12日の午前8時半に岩手県大船渡市付近に上陸した台風5号(マリア)。気象庁の情報では、12日の午前中に東北地方の青森県、岩手県、宮城県で「線状降水帯」が発生して、大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があるとしています。

この「線状降水帯」とは一体何なのでしょうか?
この記事は、2022年8月3日に青森県内に「線状降水帯」が発生した際に公開した解説記事で、今回の台風5号の上陸を受けて再公開いたします。

線状降水帯とは?

線状降水帯という言葉、ここ数年、大雨や水害が発生したときなどに聞かれる言葉となってきました。

いくつもの積乱雲が線状に連なって強い雨、激しい雨が一定の範囲で数時間にわたって降ることなんですよね。
その原因となっているのが、海からの暖湿な空気が山などにぶつかって上昇気流、雨雲のもととなる水蒸気が持ち上げられ、積乱雲が次々と発生発達して、上空の強い風で積乱雲が流されて同じ場所に雨が降るという構造なんですね。

今回(2022年8月3日)の気圧配置を見ていきますと、ちょうど青森県に前線がかかって、前線上の低気圧。

これ、元台風なんですよね、非常に暖かく湿った空気が、前日から日本海を覆い尽くすぐらいに流れ込んでいましたし、海水温がいつもの年に比べて高かったということで、活発な積乱雲が発生して雨雲が発生したんです。

その様子をレーダー画像を動かしていきますね。ここら辺に出てるのが、線状降水帯ですね。

朝の8時に発生し、また9時ぐらいになります。この横たわるような形で、線状降水帯が発生しまして、特に午前中ですね。線状降水帯が発生して強い激しい雨が広く降ったという状況なんです。

今回は、台風由来の非常に湿った空気が前日から大きく流れ込んでいた。
要するに多くの水蒸気を含んだ空気がもうたっぷりと日本海にありつつ、海水温も高い。

より水蒸気の多い状況で、前線がかかって、たくさんの雨を降らせ、さらに山にぶつかって上昇気流を起こし、積乱雲が発生発達。線状降水帯が発生したということになったんです。

この後も、まだ洪水警報が出てるところがあります。
雨はだいぶ落ち着いたんですけども、地盤の緩んでいるところがあったり、増水している河川もありますので、今夜初め頃にかけては、土砂災害や河川の増水、氾濫に厳重に警戒してください。

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