8日午後4時43分ごろ、宮崎県で最大震度6弱を観測する強い地震があった。

この地震を受け、気象庁が初めて南海トラフ巨大地震発生の可能性を調査、そして、南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」を発表された。

過去の地震から約80年「南海トラフ巨大地震」とは

気象庁によると、南海トラフでは過去繰り返し大規模な地震が発生していて、正平(康安)地震(1361年)以降、南海トラフで起きた6回の大規模地震の平均発生間隔は117年。

だが、実際に発生した地震の発生間隔は約90年から約150年とばらついていて、過去には最短で約90年の間隔で大規模地震が発生した例もある。

昭和の東南海・南海地震(1944年・1946年)の発生から約80年が経過した今、次の大規模地震発生の「切迫性が高まっている」とのことだ。

過去に南海トラフで発生した巨大地震のマグニチュードは以下のとおり。
1707年 宝永地震 M8.9
1854年 安政東海地震 M8.6
1854年 安政南海地震 M8.7
1944年 昭和東南海地震 M8.2
1946年 昭和南海地震 M8.4

南海トラフ巨大地震、今回の地震の約180倍のエネルギー

ちなみに、マグニチュード(M)と地震波の形で放出されるエネルギーとの間には、通常、マグニチュードの値が1大きくなるとエネルギーは「約32倍」に、マグニチュードの値が2大きくなるとエネルギーは「約1000倍」になるという関係がある。

今回、発生した地震でM7.1、2024年1月1日に発生した能登半島地震がM7.6だったことを考えると、仮に南海トラフ巨大地震のマグニチュードがM8.6だった場合、今回の地震の約180倍、能登半島地震の約32倍に相当する。

初の「南海トラフ地震臨時情報・巨大地震注意」とは…

2019年に運用が始まりまった「南海トラフ地震」の臨時情報は、南海トラフ沿いで地震発生の可能性が普段と比べ相対的に高まっていると評価された場合に気象庁から発表される。

これは、南海トラフの想定震源域やその周辺でマグニチュード6.8以上の地震が発生するなどした場合、速やかに専門家による調査が始まり、2時間程度で評価するものだ。

評価は3段階で「巨大地震警戒」「巨大地震注意」「調査終了」がある。

▼巨大地震警戒は、備えの再確認に加え、人によっては事前避難が求められる。
▼巨大地震注意は、今回発表されたもので、備えの再確認などが呼びかけられる。

ただ、調査終了と評価された場合でも、大規模地震の起きる可能性が無くなったわけではないので、その点に注意しながら通常の生活を送ることとなる。

なお、「巨大地震注意」の場合、過去のデータを踏まえれば、マグニチュード8クラスの大規模地震の発生確率は、通常0.1%程度だが、今回の地震で、1週間以内の発生確率は約5倍の約0.5%に高まったとのこと。

もし災害の1日前に戻れたら…?

ところで、内閣府の「一日前プロジェクト」はご存じだろうか。

地震などの被害に遭われた方々に「災害の1日前に戻れるとしたら、あなたは何をしますか」と、問いかけたもので、被災者が実体験から得た教訓、知恵を知ることができる。

ここでは、数多くあるエピソードを抜粋し、東日本大震災でのエピソードから3つを紹介する(掲載の都合上、一部を省略しています)。

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