授業中に居眠りをしていた生徒の頭を叩くなどの体罰を行ったとして7月、鳥取県教育委員会が県立高校の教諭を戒告処分としました。
このニュースをめぐって、ネットでは様々な意見が飛び交いました。
教員不足が課題となる今、教育現場で何が起こっているのでしょうか?

鳥取県教育委員会の会見

鳥取県教育委員会は7月31日、「体罰にあたる」として、県東部の県立高校に勤務する30代の男性教諭を戒告処分にしたと発表しました。

教育委員会によると6月17日、1時間目の授業が始まって5分程で男子生徒が居眠りを始めたため、男性教諭はこの男子生徒の頭を教科書の角で叩いたといいます。

その5分後、同じ男子生徒が再び居眠りを始めたため、教諭は男子生徒の机を蹴ったうえ、髪の毛をつかんで頭を起こし、「何いびきかいて寝てんねん、何回言ったらわかるねん、ぼけ」などと畳みかけるように暴言を吐き、およそ10分間立ったまま授業を受けさせました。

このニュースに対し、ネット上では数多くのコメントが寄せられました。

「これでは教員はやってられない」
「教師のなり手なんて優秀な人はまず来ないし、どんどん減る一方」
「なんでもかんでも教師を悪者にするのではなく、児童生徒の背景、家庭での教育等にも目を向けるべき」
など、コメントの中では教諭を擁護する声も目立ちました。

今回のニュースについて、現役の教師はどのように感じているのでしょうか?

教諭の男性(50代)
「結論としては、今回の件の教員の対応はまずかったと思います。」

そう話すのは、長年教壇に立ち続けてきた50代の高校教諭の男性です。

教諭の男性(50代)
「昔ならば許されたことかもしれませんが…。状況的に、暴言が出てしまったことなど気持ちは理解できますが、冷静に対応すべきだと思いました。」

今回の教諭の対応については「まずかった」と話す一方で…

教諭の男性(50代)
「最近の教員の状況を考えると、多様な生徒や保護者への対応や部活動等による超過勤務など、問題だらけだと感じます。
心身の調子を崩して休職される教員も増えて、現場はますます過酷な状態です。」

“過酷”な教育現場。
訴訟などのリスク回避のために、こんな対策も取っているといいます。

教諭の男性(50代)
「教職員共済では、業務上のミスなどで損害賠償が必要になったり訴訟を受けた場合に備える保険があるのですが、何があるかわからないので私もそれに入っています。
個人的な話ですが、娘は大学で教育学部に進みましたが、結局『教員にだけはなりたくない』と一般企業に就職しました。
『やりがい』だけで仕事を選ぶ時代では最早ないことに、教育委員会も気がついてほしいです。」

「やりがい」だけでは補えないほど、様々な「リスク」だらけになってしまった教育現場。
今回のケースは、居眠りをしている生徒に対する対応が問題となりましたが、男性教諭はどのように行動すべきだったのでしょうか?

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