海の事故が後を絶ちません。
海をよく知るライフセーバーは「波消しブロック」に特に注意が必要だと警鐘を鳴らします。
ブロックから海に飛び込む姿をよく見かけますが、そこに潜む危険とは。

米子市の皆生温泉海遊ビーチ。
夏休みとあって平日でも大賑わいとなっていますが、あることに気がつきました。

記者 土江諒
「海水浴客が楽しんでいるすぐ近くには、このように波消しブロックが並んでいるんですが、よく見てみると割れていたり、ヒビが目立つ」

ビーチに設置された波消しブロックをよーく見てみると結構割れています。

皆生ライフセービングクラブ 野嶋功 理事長
「これなんかも予備軍だわな。そこもほら、縦筋がきれいに入っているでしょ」

海といえば、時たま見かけるのが波消しブロックなどに上って遊ぶ海水浴客。こうした行為には多くの危険が潜んでいるといいます。

皆生ライフセービングクラブ 野嶋功 理事長
「消波ブロックが壊れている現状を見ると、ロシアンルーレットじゃないですけど、いつ壊れるかわからないので、立ち入りはやめていただきたい」

それにしてもなぜここまで割れているのか…。

取材班は波消しブロックを管理する国交省・日野川河川事務所を訪ねました。

国交省 日野川河川事務所工務課 江島悟 課長 
「一番最初に設置されたのは1971年。50年程度経過しているので、経年的な劣化もあれば、ブロック自体が大きいので重量によるヒビもあろうかと思います」

実は皆生海岸、国が波消しブロックを設置した日本で第1号の海岸なんです。

大正後期、「たたら製鉄」の衰退により日本海に流れる日野川からの土砂の流出量が減少し、皆生海岸の浸食は建物を流すほど激しさを増しました。

そうした事態に対処しようと1971年、当時の建設省は皆生海岸に波消しブロックを設置。すると侵食は止まり砂浜が出現しました。

今日までビーチや温泉街を波による浸食から守ってくれていますが、最初に設置したブロックは50年以上経過し老朽化が激しいといいます。

国交省 日野川河川事務所工務課 江島悟 課長 
「あくまでも背後地を浸水から守ることを目的に設置しているので、人が上って遊ぶなんてことは想定している施設ではないです」

そして、ブロック周辺の"深み"にも注意が必要です。

ひざ下までしかなかった水位もブロックに近づくと…

記者 土江諒
「おおー。ここ、もう足がつかないです。すごく深いです」

身長166センチの記者ですが、一気に水深が深くなり足がつかなくなりました。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。