台風5号は強い勢力へ 進路予想は西寄りに変化 東北を直撃か
台風第5号は、発達しながら日本の東を北上し、11日は次第に進路を西よりに変えて、12日頃に暴風域を伴って北日本にかなり接近して上陸するおそれがあります。北日本では暴風や高波、土砂災害、河川の増水や氾濫、低い土地の浸水に警戒してください。
[気象概況]
台風第5号は、9日15時には日本の東にあって、1時間におよそ30キロの速さで北へ進んでいます。中心の気圧は980ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30メートル、最大瞬間風速は40メートルで、中心から半径55キロ以内では風速25メートル以上の暴風となっています。
台風第5号は、発達しながら日本の東を北上し、11日は次第に進路を西よりに変えて、12日頃に暴風域を伴って北日本にかなり接近して上陸するおそれがあります。
[風の予想]
北日本の海上では、10日は次第に風が強まり、11日は非常に強い風が吹く所がある見込みです。
10日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
東北地方 15メートル (25メートル)
北海道地方 15メートル (25メートル)
11日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
東北地方 20メートル (30メートル)
北海道地方 15メートル (25メートル)
その後、北日本では12日頃は、海上を中心に非常に強い風や猛烈な風が吹くおそれがあります。
[波の予想]
北日本では、10日は波が高くなり、11日は大しけとなる見込みです。
10日に予想される波の高さ
東北地方 4メートル うねりを伴う
北海道地方 3メートル うねりを伴う
11日に予想される波の高さ
東北地方 7メートル うねりを伴う
北海道地方 4メートル うねりを伴う
その後、北日本では12日頃は、猛烈なしけとなるおそれがあります。
[雨の予想]
北日本では、11日は、台風の影響で、雷を伴って断続的に激しい雨が降り、大雨となる所があるでしょう。
10日18時から11日18時までに予想される24時間降水量は多い所で、
東北地方 150ミリ
11日18時から12日18時までに予想される24時間降水量は多い所で、
東北地方 200ミリ
[防災事項]
暴風、高波、土砂災害、河川の増水や氾濫、低い土地の浸水に警戒してください。
台風の進路や発達の程度によっては、さらに、風が強く吹き、波が高くなり、総雨量が多くなるおそれがあります。早めの台風への備えをしてください。
では、海外の予報機関の進路予想も比較してみましょう。
アメリカ海軍の進路予想 次第に進路は西よりに 東北方面へ
アメリカ海軍の9日3時発表の進路予想では、大まかな傾向は気象庁と同じような予想となっていて、北上しながら次第に西寄りへと進む見込みです。東北方面にかなり接近・上陸する見込みです。
ちなみにアメリカ海軍の最大風速はノット表示です(1ノット=約0.514m/s)。ただアメリカ海軍と気象庁では最大風速の定義が異なるため、気象庁の最大風速と単純に比べることはできません。(アメリカ海軍(1分平均風速)の方が、気象庁(10分平均風速)よりも大きな値となります)
アメリカ海洋大気庁の予想 当初から西寄りに変化を予測
台風の進路予報は「アンサンブル予報」という手法で行います。数値予報の計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。
アメリカ海洋大気庁のアンサンブル予想結果です。これまでの予想でも、気象庁やアメリカ海軍、ヨーロッパの予想と比べて、西寄りに進んで北日本方面に進むと予想していました。まだ進路のブレ幅はあるものの、日本の東海上へ北上した後に進路を西寄りに変える傾向はそろっています。東北方面、または関東方面へ進むデータが他のモデルに比べて多くなっています。
ヨーロッパの予想も進路予想が次第に西寄りへ 東北を直撃へ
ヨーロッパ中期予報センターが発表している予想です。こちらも日本の東海上を北上し後はやや西寄りへ進路を変えて、北日本へ向かう予想データも多くなっています。
各国の進路予想がそろってきました。東北地方を接近・上陸する可能性が高まっています。週明けは北日本を中心に雨や風・波が強まり大荒れとなるおそれがあります。今後も最新の台風情報に注意してください。
※正式な台風に関する予報については気象庁が発表する情報を確認してください。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。