おととし8月、札幌市で西区で乗用車を運転中、自転車の女性をはねた後も暴走し、合わせて3人を死傷させた罪に問われている81歳の女の裁判…女は期限までに控訴せず、1審の禁錮2年6か月の実刑判決が確定しました。

 起訴状などによりますと、札幌市の無職、里村香純被告81歳は、おととし8月、乗用車を運転中、札幌市西区西野4条9丁目の交差点でブレーキとアクセルを踏み間違え、自転車で横断歩道を渡っていた70歳の女性をはねて死亡させた上、その先の交差点で多重衝突事故を起こし、2人に重軽傷を負わせた罪に問われています。

死亡した女性の自転車

 これまでの公判で、里村被告は起訴内容を認め、弁護人も「反省して免許を返上、2度と運転はしない」などとして、執行猶予の付いた判決を求めました。

里村被告の乗用車が交差点に突っ込み、衝突した瞬間

 一方、検察は「ブレーキとアクセルを踏み間違え、自車を暴走させた過失は重大。以前も事故を起こしていて、本件の経緯に酌むべき点はない」などとして、禁錮4年6か月を求刑。

判決公判の廷内(7月24日、札幌地裁)

 7月24日午後の判決公判で、札幌地裁は「約1分15秒間、ブレーキとアクセルを踏み間違え、2つ目の事故時の速度は約136キロに上るなど、危険性が非常に高く、過失は重大」などと厳しく指摘。

禁錮2年6か月の実刑判決を言い渡した加島一十(かじま・くにと)裁判長

 その上で「適正に賠償がなされる見込みで、自らの罪を認めて謝罪、誠実に本件に向き合う姿勢も見られる」としながらも「悪質さからして、刑の執行を猶予するのは相当でない」として、禁錮2年6か月の実刑判決を言い渡しました。

手前が衝突された乗用車、赤丸が里村被告の乗用車

 里村被告は1審の判決後、無言で死亡した自転車の女性の遺族に頭を下げ、法廷を後にしていましたが、期限までに控訴せず、実刑判決が確定しました。

最高速度が約136キロまで達していた里村被告の乗用車

 

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。