厳しい暑さが続く中、この夏海水浴を楽しむ人が増える一方、全国で水難事故が多発しています。安全なイメージがある浮き具による事故も起きていて、注意が必要です。

大分市本神崎のこうざき海水浴場。連日続く厳しい暑さもあり、海水浴場は家族連れなどでにぎわっています。

一方、海で注意が必要なのが”フロート”と呼ばれる動物などの形をした浮き具の使用です。7月30日、福岡県志賀島の海水浴場で浮き具に乗っていた4歳の子ども2人が沖に流されて海に転落しました。

(目撃した人)「そんなに波も立っていないし、流れも速くなかった。風の影響があると思います」

大分県内では過去5年間で遊泳中の海の事故は6件発生。このうち、2019年には子どもが浮き具で沖に流される事故が2件起きています。

大分海上保安部交通課 武本直樹課長:
「海の上で油断していると風の影響や潮の影響で自分が知らない間にあっという間に沖に流されるパターンが多くあります」

浮き具が風でどれだけ流されるか検証した映像では、風速2メートルから4メートルの弱い風でも浮き具は徐々に沖に流されます。110秒後には50メートル流され、大人が助けに向かっても次第に水深も深くなり追いつけなくなりました。

また、浮き具の形によっても風の影響は大きく異なり、立体的な形になるほどより流されやすくなります。

大分海上保安部交通課 武本直樹課長:
「海面から少しでも高い位置に首が出ているような動物型の遊具は、風に当たる風圧面積が大きいので、それだけ風の影響を大きく受けやすい。沖に吹く風のときには特に注意が必要となります」

大分海上保安部と警察は、海岸でパトロールを実施。利用者へチラシを配ったほか、県警の警備艇で監視し海の事故への防止を呼びかけました。

(海水浴客)「あんまり遠くまで行かないようにさせてます」「目を離さないようにしてそばにいるようにはしてます」「浮き具を使ったらずっとそばにいないといけないと思います。子どもから離れたらダメだなと思います」

浮き具を使用する際は、風が強い日は控える事や足がつく浅瀬や監視員がいる場所を選ぶことが大切です。また、万が一流された場合は岸に戻ろうとしたり、助けにいったりせずに118番通報することが重要です。

大分海上保安部交通課 武本直樹課長:
「とても普通の人だと泳いで岸に戻れません。海で助けることは難しいので落ち着いて救助機関の救助を待ってほしい」

海水浴で夏の楽しい思い出を作るためにも風を含めた天候に注意し、油断しないことが何より重要です。

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