8日午後4時43分ごろ、宮崎県日南市で震度6弱を観測する地震がありました。
気象庁は、南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」を発表し、南海トラフ地震の想定震源域では新たな大規模地震の発生可能性が平常時と比べて相対的に高まっていると考えられるとして自治体などからの呼びかけに応じた防災対応を呼びかけています。以下、2024年1月11日に掲載した『「能登半島地震に匹敵するようなものが最大で想定されている」残りの南部の断層が動くリスクも 能登半島地震の教訓と備え』を再掲載します。

元日、能登半島地震が発生しました。
今回は、地震の教訓をもとに宮崎県内での必要な備えについて考えます。
(全3回の2回目)

熊本地震の原因のひとつ「日奈久断層帯」残りの南部の断層が動くリスクが

気になるのは、宮崎の地震のリスクですが、まずは、能登半島とその付近の地図を見てみます。
紫色の線は、活断層を示しています。


能登半島とその周辺には、このようにたくさんの活断層があり、2020年から、地震活動が活発になっていました。

そうした中、能登半島地震では、いくつかの断層が連動してずれ動いた結果、広範囲で強い揺れが長く続き、被害が大きくなったとみられています。

専門家は、同じような現象が九州でも起こるリスクが高まっていると指摘しています。

震度7を2度観測した2016年の熊本地震。
その原因となったのが、熊本県内を走る布田川断層帯と日奈久断層帯の2つの断層帯です。


このうちのひとつ、日奈久断層が熊本地震で動いたのは北側の一部の領域で、専門家は、残りの南部の断層が動くリスクが高まっているといいます。

(京都大学防災研究所宮崎観測所 山下裕亮助教)
「この日奈久断層のところで想定されているものというのは、結構大きいもので、今回の地震(能登半島地震)に匹敵するようなものが最大で想定されていますから、もし仮にそういうものが起こったときには、宮崎は離れてはいるんですけど、それなりの被害が出ると思っていただいて結構かなと思います」

日向灘地震 南海トラフ地震のリスクが高まる

さらに、宮崎県内では、日向灘地震、そして南海トラフ地震のリスクが高まっていることも忘れてはいけません。

(京都大学防災研究所宮崎観測所 山下裕亮助教)
「南海トラフ地震が仮に起こった場合、3分程度揺れが続く。基本的に揺れている間は逃げられない。むやみに動くのも危険ですから、その揺れが、一旦収まった後にいかに早く外に出て、避難行動に移れるか、その時間をいかに短くするかというのが、要はポイントだと思います」

山下助教は改めて災害への備えを見直す機会にしてほしいと訴えます。

(京都大学防災研究所宮崎観測所 山下裕亮助教)
「家の中の備えだったりとか、避難の方法の備えだったりとか、連絡手段の備えもあると思いますし、あとは避難してからの生活をどうするか、いろんな備えがあると思いますが、そこを見直すきっかけにしていただけるとありがたいとは思います」

災害は起きる「かもしれない」じゃない

京都大学防災研究所の山下助教が指摘していた布田川-日奈久断層帯。
この部分で断層がずれるリスクが高まっているわけです。

ここで最大規模の地震が発生した場合、国の想定では宮崎県内の山間部で震度6弱程度、宮崎の沿岸部でも、震度5弱程度の揺れに見舞われるとされています。

地域防災などに取り組み、東日本大震災や熊本地震で支援活動の経験もある「NPOみんなのくらしターミナル」の初鹿野 聡さんに話を伺います。
初鹿野さん、宮崎でのリスクという点ではどう考えていますか?

(NPOみんなのくらしターミナル 初鹿野 聡さん)
当然、影響があります。
もう一つ考えておかなければならないのは、陸で起こる地震と海で起こる地震というのは揺れ方が違うということ。これは知識として知っておいた方がいいと思います。
大事なのは、災害は起きるんです。
「かもしれない」じゃないんです。

NPOみんなのくらしターミナル 初鹿野 聡さん

今回も「まさか正月に元日に」というコメントが結構聞かれましたが・・・

(NPOみんなのくらしターミナル 初鹿野 聡さん)
今のコメントは、まさに内心を物語っていて、人間には正常性バイアスという、「起こらない方がいいと思いたい」という思いが非常にあります。
だけど、これ超えていかないと、「備え」というのはできていかないのです。

MRTテレビ「Check!」1月9日(火)放送分から


※MRTテレビ「Check!」1月9日(火)放送分を再構成

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