「サイバーセミ」をご存じでしょうか。
何と、セミにブラックライト(紫外線を発するライト)をあてると、【画像①】のように輝くのです。これが「サイバーセミ」。

【画像①】紫外線をあてたクマゼミ…いわゆる「サイバーセミ」

ライトをあてる前はこちら【画像②】。地味な色のクマゼミです。

【画像②】ブラックライトをあてる前のクマゼミ

セミに限らず、生きものの中にはブラックライトで照らすと面白い反射をするものがいます。自然って面白いですね。

害虫駆除などを手掛ける東洋産業の大野竜徳さんは、「ご家庭の掃除のときに、ブラックライトで照らすと、生物汚れ(おしっことかカビの仲間とか)を視認できるので便利」だといいます。

いろんなものを照らしてみよう!

ー大野さん、ブラックライトでいろんなものを照らしてみましょう!

(東洋産業 大野竜徳さん)
「郊外の山などに生息する『ミドリババヤスデ』という生きものがいますが、ブラックライトをあてると…【画像③】のように真っ青に光ります!」

(ヤスデも、青く光るとカッコ良く見えてくる?)

【画像③】よく光る!ミドリババヤスデ

ーコガネムシの幼虫はどうでしょうか?

(東洋産業 大野さん)
「コガネムシの幼虫も明るく光ってみえますね。【画像④】」

【画像④】青く輝く!コガネムシの幼虫

(大野さん)
「実は死骸も光ります。【画像⑤】で青く輝くのはダンゴムシの死骸です。生きているものはあまり光ってみえませんが、死んで白くなったものは真っ青に光ります」

【画像⑤】ダンゴムシの死骸も青く光る

もともと輝くムシはどうなる?

ーもともとキラキラしているハンミョウやタマムシはどうなるのでしょうか。

(東洋産業 大野さん)
「ハンミョウは少し山あいの公園などでよく見られますね」

【画像⑥】ハンミョウ 別名ミチオシエ、幼虫は別名ニラムシ

そのハンミョウにブラックライトをあててみると…

【画像⑦】ブラックライトをあてたハンミョウ

(大野さん)
「ハンミョウは目が大きいのでよく目立ちますが、どの虫も目はかなりきれいに光ります。夜、樹液などに集まっている虫を照らすと目だけが青く光輝いて見えます」

「一方、日中キラキラ光るタマムシは、紫外線ではほとんど光りません(目は光ります)」

「タマムシはキラキラした虹色の金属光沢ですが、これは構造色といって体が金属でできているわけではなく、体表の細かい構造で光を反射させています」

「例えばアワビやサザエも銀色に見え、角度によっては緑色に光って見えるのと似た仕組みです。紫外線ライトではいまいち光っているように見えないんですね」

どうして色が変わるの?

ーそれにしても、どうしてブラックライトをあてるとこんなに色が変わるのでしょうか。

(東洋産業 大野さん)
「紫外線を当てると、タンパク質や葉緑体、ビタミンなどがよく光って見えるのですが、これは紫外線を浴びた物質が紫外線のエネルギーを吸収して、目に見える光に変えて放出するからだそうです」

「虫が青く輝くように光る反応は『蛍光反応』と言います。虫によってはこの蛍光反応を持つタンパク質(蛍光物質)をたくさん持っています。紫外線が蛍光物質に当たると、その紫外線のエネルギーは蛍光物質のもつ電子に移動します」

「 電子は励起状態(エネルギーを持ち過ぎた状態)になり、すぐにいらないエネルギーを捨ててしまいます。このエネルギーが熱や光となって出てきます。紫外線が熱や光になるとき、目に見えない紫外線が目に見える色に変わって放出されたものです。…ちょっと難しいお話ですね」

植物は光るの?

ー植物も光るのでしょうか?

「植物にも光るものがあり、ちょうど私の近くにあったものだと、カタバミやサクラの葉は赤く光りました」

【画像⑧】赤く光るカタバミ
【画像⑨】赤く光るサクラの葉

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