極端な大雨による災害が増える傾向にありますが、水害を防ぐために大規模な設備を作るのには時間がかかります。そこで、静岡県沼津市では、いち早く現場に駆け付け、水を汲み上げることができる最新型の「排水ポンプ車」を導入しました。

オレンジの浮き輪につり下げられていたのは水を吸い込むポンプです。

<東部総局 金原一隆記者>
「台風シーズン本番を前に、沼津市は浸水被害を軽減するために市独自のポンプ車を導入しました。きょうは操作訓練です」

先日、沼津市に真新しい「排水ポンプ車」が導入されました。トラックに発電機とポンプ4台が搭載されています。記録的な大雨で雨水があふれた街に駆けつけ、水をくみ上げ、狩野川など堤防がある大きな川に雨水を捨てます。

<担当者の説明>
「ポンプ1台動かしまして、一般家庭にあるお風呂の水、大体2秒かからないぐらいで無くなります」

ポンプ4台をフル稼働させると一般的な25メートルのプールが15分ほどで空になる能力です。担当の職員たちはホースをつないで、発電機とポンプを作動させるまでの手順を確認しました。

<沼津市 頼重秀一市長>
「すごいですね。すごい水の量なので、これなら大丈夫じゃないかと」

2023年6月、台風2号が接近した時には、狩野川に雨水を捨てる排水機場が止まって浸水被害が拡大。国土交通省から排水ポンプ車を借りて、急場をしのぎました。

<沼津市 頼重秀一市長>
「ここのところの雨の状況見ますと、その時に(国交省から)借りれるかどうかという心配もございます。高機能の、最新型の排水ポンプ車をしっかりと設置することが大変、大事ではないかと」

沼津市は、自前の排水ポンプ車を導入するため、2023年9月に予算を組み、ようやく車両が届きました。また、ホース一式などをそろえました。早速、2024年6月に大平地区の雨水を排水するため2回稼働しています。

<沼津市河川課 勝又隆弘課長補佐>
「大平地区を浸水から守るためにですね。今、排水機場の工事を進めているんですけれども、まだ工事が進んでないところもありますので、とりあえずこのポンプパッケージで、浸水から守るために排水しているという状況ですね」

排水機場が完成する2026年度まで、この設備で大雨被害の軽減を目指します。さらに、いかに運用するのかが大事だと現場は気を引き締めています。

<沼津市河川課 長嶋晃令課長>
「結局、冠水してからだと現場までたどり着けないことがまず考えられるので、その辺が予想されるような時とか、大雨が来る時には、早めに現場の方に待機させるということも考えていきたいなと思ってます」

沼津市の頼重市長は「排水ポンプ車を少しでも早く動かすことができるように手順を確認する訓練を重ねていきたい」と話していました。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。