全国的に記録的暑さとなる中、コメ不足が深刻です。
6月末までの全国のコメの在庫量は、過去25年間の中で最も少なくなっていて、新潟県内のコメ農家や卸売り業者にも不安が広がっています。

こうした中、海外産のコメを取り扱うところも出ています。

新潟市北区でコメの卸売りなどを行っている「星山米店」では例年、倉庫いっぱいにおよそ240トンあるはずのコメが、今年はもうおよそ10トンに…。

【星山米店 星山恒広 会長】
「今までにない事態ですね。少なくとも1カ月くらいの在庫はあるんですけど。1週間くらいでなくなるような感じですね」

深刻なコメ不足は全国的に広がっていました。

【アキダイ 秋葉弘道 社長】
「注文しても次入ってくるのがいつか分からない。これは本当に30年ぶりじゃないですかね。僕の記憶だと」

都内のスーパーではおひとり様1点までという注意書きも。

新潟から産地直送のコメを例年は9月まで確保していましたが、今年は7月で仕入れがストップ。購入制限に踏み切りました。

農林水産省によりますと、6月末までの全国のコメの在庫量は、今年156万トンとなっていて、統計がある25年間の中で最も少なくなっています。

この要因について、星山会長は…
【星山米店 星山恒広 会長】「コメがかなり温暖化によって打撃を被ったというのが1つの要因」

去年夏の猛暑でコメの収量が減ったこと。また星山会長は、海外客による日本食のインバウンド需要が急激に増えたことも関係しているのではと話します。

この緊急事態を切り抜けるため、星山米店は、新たな対策に踏み切りました。

【星山米店 星山恒広 会長】「こちらですね、ベトナムのお米は。多分世界で1番安いおコメではないのかな」

ベトナム産のコメの取り扱いも始めました。ベトナム米は年に2回収穫されるので、収量が多く価格も安いため需要が多いということです。

【星山米店 星山恒広 会長】「これをいい機会に、これからは新潟のコシヒカリばかりにあぐらをかいていないで、高温に強い品種改良をするとか、そういう形でどんどん新潟も対応せざるを得ないのかな」

コメ不足に農家も頭を悩ませています。
【ひうら農場 樋浦幸彦さん】「こちらがコメの保冷庫になっています。いつもより1か月半くらい早くなくなってしまって、本当は10袋くらい余ってどうしようかと思っている、8月末ごろなんですけど」

燕市のコメ農家 樋浦幸彦さんです。去年からの個人向けなどのコメの取り扱い量は例年と同じでしたが、注文が殺到したため例年よりも1か月半ほど早く販売するコメが不足。さらに気温が上がりコメの消費が落ちるはずの6月から今月にかけても異変が…

【ひうら農場 樋浦幸彦さん】「注文が入ると、印刷して出すのですけれど、もう一気に(注文が)入ってしまった。7、8月は暑いので減るが、減らずにきている、おかしいなこれはと…」コメの不足に焦る消費者から問い合わせが相次ぎ、6月からの注文数は例年の1.5倍ほどに。しかし肝心のコメがないため…

【ひうら農場 樋浦幸彦さん】「さすがにこの前久しぶりに電話くれた方に『すみませんちょっとなくなってしまった』とお断わりしました。『新米出たらまたご連絡します』と言いました」

先月末から新規の注文は断っています。
【ひうら農場 樋浦幸彦さん】「なくなるのは相当凶作というか、不作だったんだなと、今になって実感しています。多分10年に一度だと思います。お断りした方にまた再度喜んでもらえるように努めていきます」

気になる今年のコメの生育については、「今のところ順調だ」ということで、今月末には収穫が始まる予定です。

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