大雨への注意、警戒が必要になるときなど、天気予報やニュースなどでかなりの頻度で出てくる表現があります。
「大気の状態が非常に不安定」
よく目にしますが、「大気の状態が不安定」というのはどんな状態なのでしょうか?そして、それが大雨につながるというのはどういうことなのでしょうか?
たとえば、前線によって雨が降ることような場合、この前線を境におおむね北側は冷たい空気、南側は暖かい空気、湿っていたりもしますが、この2つがぶつかり合う状態になります。ぶつかり合うから前線ができるともいえます。
前線に近いところなどのイメージですが、下に暖かく湿った空気、上に冷たい空気が流れ込む状態になります。
これが「不安定な状態」です。
暖かい空気は軽いので、上空に上がろうとします。
そして、冷たい上の空気に触れると、空気中に含まれる水蒸気が凝結をして水滴になり、それが雲の発生につながります。
雲が発達すると、一気に雨が降るなどします。
降ることで「不安定」から「安定」になります。
下は暖かく湿っているほど、上は冷たくて乾いているほど不安定の度合いが大きいです。大雨になりがちです。
一般的に地上と上空約5500メートルの気温差が40度以上になると、大気の状態が不安定になりますが、暖かいだけでなく地上付近の水蒸気の量が多い、湿度が高いような場合はより不安定の度合いが増すことになります。
天気予報でおなじみのように「大気の状態が非常に不安定に…」などとコメントされていますが、そこにはスケールの大きな大気の営みがあり、それが私たちの生活に影響を与えていることになります。
これからの雨のシーズンも、「大気の状態」についての表現は注意深く見ていく必要がありそうです。
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