8月2日から2日間、富山県魚津市の諏訪神社の伝統行事「たてもん祭り」が行われ、重さ5トン、高さ16メートルの山車が、海岸沿いの神社で “回転奉納” しました。今年は初めて女性が山車の指揮役を担い、これまでにも増して、豪快な曳き回しに漁師町が活気づきました。

航海の安全と豊漁を祈る魚津市の伝統行事「たてもん祭り」。7つの町内がそれぞれの巨大なたてもんを人力だけで動かす回転奉納が一番の見所ですが、今年はいつもの豪快さに加え、一層華やかな光景が見られました。

鐘を鳴らして回転の合図を出す指揮役は、各町の青年団長が担っていますが、ことし初めて女性が鐘を鳴らしました。

2日夕方、港町の浜岡愛子さんは、緊張した様子で祭りの準備を行っていました。

記者「緊張しますか」

港町 浜岡愛子さん「緊張よりも楽しみたいって気持ちが大きいです」

浜岡さんは、幼い頃からたてもん祭りが大好きで毎年、笛を吹いたり担ぎ手の世話をしたりして参加してきましたが、ことし初めてたてもんに乗って鐘を鳴らす役割を担います。

港町 浜岡愛子さん「これは私の中ではあり得ないことで小さい時からそれをやるのは男性だし兄ちゃんたちで。たてもんの事を考えて1年費やした人たちがやる仕事なので。憧れで女の人たちが出来るわけがない世界観なのでそれは奇跡ですよね。私にしたら」

港町では少子化が進む中で、祭りの担い手を増やしていきたいと、今回、浜岡さんに鐘を託したといいます。

港町 団長岡崎哲也さん「ただでさうちも少子化が進んでいて人が少ないという状況なのでここで新しい風じゃないですけど新しいことに挑戦しようということで。町内の全責任を背負って鳴らさんなんいけんというのはあるんでその点はすごい重要だと思います」

たてもん祭りでは、慣例として女性は、笛や太鼓のお囃子や綱の引き手として参加してきましたが、女性が、回転の鐘を鳴らすのはことしが初めてです。

1番くじを引いた港町が諏訪神社の境内に入ってきました。

浜岡さんの合図と同時にたてもんが力強く曳き回されます。

港町 浜岡愛子さん
「本当に何か夢の世界ですね。あたしここでこんなことしてていいがって感じですね」

諏訪町2区では、小学4年生の魚住愛華(うおずみあいか)ちゃんが最年少で指揮役を任されました。

諏訪町2区・魚住愛華ちゃん「余裕だった」

愛華ちゃんの母・春奈さん
「すごく頑張った。よかった。自慢の娘なのでよかったです」

ことしは7町内のうち、港町、元町、諏訪町2区と5区の4つの町で女性が鐘を鳴らしました。

港町 浜岡愛子さん「とにかく関わる方がたくさんになって盛り上がれる祭りになればいいなと思います」「こういうチャンスを頂いたことに感謝して次にまたやりたいなと言う人たちにつなげていければと思います」

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