男性3人から合わせて1億5500万円以上をだまし取った罪などに問われた「頂き女子りりちゃん」を名乗る女に、名古屋地裁が判決を言い渡しました。

法廷に姿を見せた「頂き女子りりちゃん」は、お団子ヘアに、クリアフレームの眼鏡。黒い半袖のTシャツに、黒いズボン。ピンクの靴下。背もたれに座って落ち着いた様子でしたが、判決を言い渡された後、過呼吸のような状態になり、弁護士に「深呼吸」を促されました。

起訴状などによりますと、「頂き女子りりちゃん」こと住居不定・無職の渡邊真衣被告25歳は、2021年3月から去年8月にかけ、マッチングアプリや当時勤務していた風俗店で知り合った50代の男性3人から、現金計1億5500万円以上をだまし取った詐欺の罪と、男性から金をだまし取るための「頂き女子」マニュアルを販売するなどした詐欺幇助の罪、約4000万円を脱税した罪に問われています。

これまでの裁判で渡邊被告は、全ての罪について起訴内容を認め、「担当ホストに喜んでもらって、自分のことを良い子だなって思って欲しい気持ちだけだった」などと話していました。

検察側は「入れあげたホストの売り上げに貢献したいとその原資を求めたもので、身勝手極まりない」などとして、懲役13年と罰金1200万円を求刑。

一方弁護側は、「ホストに利用された被害者的側面もある」として”寛大な判決”を求めていました。

そして、午後2時から始まった判決公判で、名古屋地裁の大村陽一裁判長は「男性に対し言葉巧みに好意があるよう装い、繰り返し金銭を詐取した。男性心理を手玉に取る誠に狡猾な犯行。意中のホストの売り上げに貢献したいと犯行に及んだその動機は身勝手で、刑事責任は重い」などとして懲役9年と罰金800万円の判決を言い渡しました。

22日の裁判では、81の一般傍聴席に対して傍聴を希望する313人が並び、倍率は3.86倍となりました。

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