ふるさと納税が好調だ。初の1兆円を突破したと盛んに報道されている。
しかし国は何がしたいのか、今ひとつよくわからない、と感じている人もいるはず。それは、ポイント廃止が明らかになったから。
その点について、見てみたい。
ふるさと納税のポイント廃止について、やはりというか当然というか・・・
物価上昇や実質賃金が上がらない社会情勢を受けて、ネット上では「ポイントがなくなるのは残念」という声や「もともと金持ち優遇の措置だし、改悪するならやめればいいのに」などの声が上がっている。
※サムネは返礼品で人気の品(イメージ)
総じて国民は「なぜ?」という反応だが、自治体はどうか。
匿名を条件に県内の自治体関係者がインタビューに応じてくれた。そこから、今回の施策に対する地方自治体の本音と、ひょっとしたら国の本音か、という点も見えてきた。
来年10月からポイント禁止
ふるさと納税制度をめぐっては、総務省がルールの見直しを発表した。
内容は、寄付した人に独自のポイント付与を行う仲介サイトを通した寄付の募集を来年10月から禁止するというもの。
ふるさと納税は現在、寄付をする人が仲介サイトなどを通して自治体に寄付した場合、返礼品のほかに仲介サイトから独自のポイントが付与されることがある。
このポイントがバカにならない。時には寄付金額の10%を超えるポイントが付与されることもあり、消費者はより多くのポイントがもらえるサイトから寄付を行おうとする。
結果、仲介サイト間で利用者の獲得競争が過熱することとなる。
総務省はこうした状況を受けて、来年10月から寄付する人に独自のポイントを付与する仲介サイトを通じて自治体が寄付を募ることを禁止すると発表したのだ。
※クレジットカード決済など通常のポイント付与は対象外
国の狙いは
松本剛明総務大臣は、ポイント廃止の発表をした会見で次のように述べた。
「ふるさと納税については、返礼品目当てということではなく、寄付金の使い道や目的に着目して行われることが意義あることと考えている」
つまり、仲介サイトが付与するポイントの原資は自治体が支払う形と考えられ、総務省は、仲介サイト事業者などに支払う自治体の経費を抑えることで、少しでも自治体がうるおうようにしたい、という”ふるさと納税の本来の趣旨を守りたい”考えを示したのだ。
果たして現場はどうなのだろうか。山形県内のとある自治体のふるさと納税担当者に聞いた。
すると自治体の都合と国の都合の違いが見えてきた。
今回の施策の印象は
「国の思惑通りになればいいが、やってみないとわからない」
この言葉には、多少の戸惑いも感じられた。その理由は、このあと明らかになる。
ポータルサイトに依存する現状
自治体が寄付を受ける流れについて聞いた。すると。
「ポータルサイトからの寄付が99%と言っていい。以前独自のサイトを立ち上げて運用をしたがまったく集まらなかった。消費者目線で考えれば、便利なところから寄付するのは当然。ポータルサイトの存在は自治体にとっても重要」
インターネットのサイトを経由した寄付については自前サイトがあることが一番いいのは明らかで、この自治体はチャレンジしてみたそうだ。
しかし手間に見合う効果が得られない。結果、既存のポータルサイトに現在は落ち着いているのだという。
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