気温が体温を超えるなど、全国で危険な暑さが続いています。夜も気温が下がらず、寝苦しい熱帯夜が多くなります。

暑さに体力も消耗気味。しっかり眠って回復を図りたいところですが夜も暑い、ということで寝苦しさも感じるこの季節。快眠のヒントを専門家に聞いてきました

教えてくれたのは山口県庁すぐ近く、山口県山口市の寝具店、中央寝装の山口すみれ社長。

夏の快眠の鍵は「温度と湿度」と断言します。

(1)眠るときになにを着るか

暑いからと肌を露出しすぎるのはかえって逆効果だそうです。
文字どおり眠りに入る「入眠」には、体の奥深く、つまり、内臓の温度が下がることが重要です。

手足を冷やしすぎてしまうとかえって体が体温を維持しようとして内臓の温度が下がらなくなるといいます。

夜も暑い日には寝る間もエアコンを使うことが多くなりました。

暑くもなく寒くもない環境をつくるため、生地は薄手で、袖の長さは手首まである長袖かひじの下ほどの「7分袖」くらいが望ましいといいます。

素材は綿などの天然素材。汗などの湿気を吸い込んで吐き出す特性にすぐれているというのが理由です。
この場合は肌着もなくていいそうです。

(2)敷き布団

マットレスなどそれぞれ気に入ったものや高価なものもあるため直ちに買い換えるのは現実的ではありません。

そこで、体に一番近いところに敷く「敷きパッド」の使用が効果的です。
これも吸湿性にすぐれた綿の素材が適しているということですが、選び方のポイントは生地の表面です。

表面が平面的だと汗をかくと肌に張り付いて不快感を感じるもとになるのでキルティング加工など凹凸のあるもののほうがよいということです。
(3)顔や首の周り
顔や首の周りも涼しく快適に眠る環境づくりには重要。枕カバーを替えるのが効果的です。

夏に最も適している素材は麻。
吸湿性に富んでいて肌触りもよく、しかも丈夫です。

一方、冷感素材のものも商品によって性能には差があるため朝まで快適に眠るためには冷感がどのくらい持続するかで選ぶのがよいとしています。
このほか、シルク素材は高価ではあるものの吸湿性のほか、なめらかな肌触りで心地よく眠れるのではとしています。

(4)寝具の取り扱いもポイント
夏の寝具は選び方以外にも取り扱いも大切になってきます。
湿気がたまっていたり表面が汚れたりしていると不快な環境が作られやすくなります。

山口さんは「枕カバーは毎日でも洗ってほしい」とアドバイスします。敷きパッドは、毎日は洗えなくても一度外して風に当てるなどすれば肌触りはよくなるそうです。山口さんの店、中央寝装では、眠りについて、科学的な視点からのアドバイスもしています。

寝室に置いたセンサーで部屋の温度、湿度のほか光や音の刺激がどれだけあったかを時間ごとに記録します。

また、体の動きを感知するセンサーで、快適だったか不快だったかを記録して快適に眠れなかった原因を探ります。

山口さんは「夏バテをしないためにはしっかり眠って体を回復させることが大切。そのためにも快眠について知ろうとする姿勢が大切」と話しています。

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