高断熱の窓へのリフォームがいまなら補助金でお得に。
注目の移動式エアコンなど、猛暑対策を取材しました。
長野県内にも本格的な夏が到来。
この先の暑さについて、気象予報士の坂下悠乃さんは‥。
坂下さん:
「夏の気温は今年も平年より高い予想になっています」
「さらにその暑さが9月ぐらいまで長引く可能性もあります」
八ヶ岳のふもと、標高およそ1000メートルの富士見町。
備え付けのエアコンがない役場では、夏場は窓を開けて風を取り入れますが、酷暑となると、それではしのぎ切れません。
そこで…
富士見町総務課・吉村勇人さん:
「こちらが移動式エアコンになっています」
猛暑対策として、壁に設置するタイプではなく、移動式のエアコンを導入しました。
宮入キャスター:
「すごいめちゃくちゃ涼しい。けっこうパワーあるんですね。静かですね」
吉村勇人さん:
「庁舎等に備え付けの空調になると費用もかさみますし、工事もかなり大規模なものになるんですが、移動式エアコンであれば、そのあたりの工事の面についても、より負担が少なくて、非常に取り回しが良いものだと考えています」
その名は「ヒエスポ」。
いわゆる室外機が一体となったエアコンです。
宮入キャスター:
「いわゆる町工場の雰囲気があって手作りハンドメイドなんですね」
須坂市にあるビルやマンションの空調設備の会社、信越空調が製造していて、近頃の猛暑で、注文は主に自治体から相次いでいます。
信越空調工場長・淡路真(あわじまこと)さん:
「学校の体育館であったりとか、空調機がないってことが多いので、そういったところに一番導入されている例が多いですね」
長野市内の体育館でも7月から試験的な使用が始まりました。
重さはサイズによりますが、180キロのこちらの機種は。
宮入キャスター:
「軽ーく移動できますね。だからいろんなところに持っていけるってことなんですね」
今や看板商品となった「ヒエスポ」ですが、誕生のきっかけは13年前、東日本大震災でのある経験でした。
信越空調執行役員・高野源人(たかのげんと)さん:
「避難所で使える冷房装置はないか、それを何とか調達してほしいっていう依頼がありました」
当時、扱っていたのは、水の蒸発を利用して涼しい風を送る冷風機。
すぐに23台を、東北の避難所に送りました。
しかし。
高野さん:
「狭い空間では、どうも湿度が上がってしまって、やはり避難所の衛生面とか、よろしくないということで返却されたんですね」
ドライで涼しい風を作りたい。
空調メーカーとしてのプライドが商品開発につながり、2013年に1号機が誕生しました。
当初は数台を生産するだけでしたが、新型コロナのワクチン接種が学校の体育館などで行われると「ヒエスポ」は注目されます。
高野さん:
「夏に体育館の中で、やはり冷房装置が必要だ、そういったお話から問い合わせが殺到しましたね」
「いまようやく300~400台くらい年間」
そして、移動式という利点を生かし、猛暑対策のみならず、いざというときの備えとして活用している自治体も少なくありません。
富士見町役場・吉村さん:
「現在は役場の庁舎内に配置させていただいているんですが、災害発生時には町内に7つある避難所に配置できるように想定をしております」
高野さん:
「うちはハンドメイドなんで各技術がね」
「オンリーワンの製品として、そういった気持ちで作っております」
さて、夏の猛暑対策。
大切なのは冷房だけではありません。
堀内建材(須坂市)専務・堀内龍真(りょうま)さん:
「家の外の暑さが家の中に侵入してしまう割合が、玄関や窓を通してがだいたい7割程度と言われてますので」
特に熱が入りやすいとされるのが、日本の住宅に多いアルミのサッシとガラス1枚の窓。
これを高断熱の窓に改修することで、冷房の効果をアップさせ、省エネにもつながるということです。
こうした省エネ住宅へのリフォームにいま、補助金の制度があります。
一部の自治体で行われているほか環境省が展開しているのが「先進的窓リノベ2024事業」です。
堀内さん:
「大きさと窓のグレード・性能によって金額が異なってきます」
住宅の省エネ化を促す内窓の設置や、外窓・ガラスの交換に対して、改修費用の2分の1相当などが国から補助されます。
補助金の上限は200万円です。
冨澤さん:
「外と同じくらい暑かったですね」
2023年度の補助事業を活用して、窓を改修した須坂市の冨澤(とみさわ)さんは、従来の窓の内側にもう1枚、断熱性能の高い窓を設置しました。
冨澤さん:
「西日というと暑いんですけど、こういう2枚戸になってからは、そういうことはなくなりましたね」
「補助金もいただきましたので特に私は万々歳ですけれども」
宮入キャスター:
「冨澤さんの今回のケースの工事なんですけども、今年度の補助金を活用した場合どのくらいお得なんでしょうか?」
補助金は工事の種類や窓の性能・サイズによって決められています。
堀内さん:
「全部で6箇所こちらで工事させていただいたんですが、全体で32万5000円」
宮入キャスター:
「ちなみに工事っていうのはどのくらで終わるものですか?」
堀内さん:
「このくらい4枚建てって言われる窓でも特に支障な物がなければ1時間もあれば」
「断熱性を高めることで光熱費削減にもつながると思いますので、ぜひこういう補助金という制度がまだあるうちに有効に活用して」
「窓リノベ事業」は年末までに完了する工事が対象ですが、予算がなくなり次第終了となります。
補助金の申請は消費者が自ら行うのではなく、「窓リノベ事業者」として登録されている施工業者が行うため、リフォームを依頼する業者が登録しているか事前に確認する必要があります。
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