県外で活躍する青森県民を紹介するターニングポイント。人生の転機となったそのとき、どのような思いや決意があったのか。
第86回のストーリーは、十和田市出身の茂木真奈美(もぎ・まなみ)さん。

東京・新宿区荒木町にある青森の食材を使った郷土料理が楽しめる店「青森PR居酒屋りんごの花」で、女将として店を経営している。

「食」とともに成長した幼少期 “肉じゃが”のレパートリーはさまざま

母親が地元の旬のものを食べさせてくれていたこともあり、茂木さん自身も子どもの頃から食に興味があった。

茂木真奈美さん
「料理は結構やっていて、小学校2年か3年のときの文集で『きゅうりを輪切りにしてうまくできて喜んだ』と書いたのをすごぐ覚えています」

学生時代は両親が共働きだったこともあり、さらに料理をするようになった。

茂木真奈美さん
「お弁当と晩ご飯は結構作ったりしてました。覚えているのは、『肉じゃが』はいろんなパターンで作ってトマトで煮たり、同じ料理でもいろいろ調理法とか味付けを変えて作っていましたね」

食や栄養の勉強をするために、静岡の大学へ進学。
地元から出て、改めて青森の良さに気づく。

『“スタミナ源たれ”がない!』県外に出て知った青森の良さ

茂木真奈美さん
「一番最初思ったのは、(当時の静岡の店に)『“スタミナ源たれがない』っていうこと。何でもそれで味付けしてたので、近所のスーパーに買いに行ったらどこにもなくて、『違う世界に来たのかな?』みたいな感じでしたね」

※スタミナ源たれ… 青森県産のりんごやにんにく、玉ねぎ、生姜などを使った万能なタレ青森県の多くの家庭に常備されている。上北農産加工が製造。

大学卒業後は神奈川の漬物会社へ就職。コンビニなどで売り出す商品の企画開発に携わった。
その後は、スーパーの惣菜の企画・販売・製造の仕事を少しして、冷凍食品の会社へ。新たに立ち上がった惣菜部門の開発を担当。

茂木真奈美さん
「30代のときに働いてたところは9年ぐらいいたんですけど、仕事はずっとやりたいなとは思っていて、ただ、その会社にずっといるのはちょっと違うかなという感じがしていた」

次の仕事を模索している中で、女性社長のセミナーに参加した際、新たな発見があった。

茂木真奈美さん
「セミナーの中で、『自分の強みを探す』ときに、自分の強みが『青森』と『食』の2本柱だと気づく機会があって、それをずっと生涯の仕事にしたいなみたいに思い始めたきっかけではありますね」

『青森×食』にコンセプトを置き、東北新幹線の新青森駅開業に合わせて会社を設立。そして、『りんごの花』がオープンする。

『青森×食』がコンセプトの『りんごの花』開業で会社員から経営者へ

食材は青森から直送。メニューには、生産者の顔や詳細を載せている。

茂木真奈美さん
『青森っておいしいものいっぱいあるんだね』って結構言っていただくので、それはうれしいですね」

『筋子納豆』など料理も評判だが、何よりも青森出身の人々のコミュニティの場。

それが『りんごの花』だ。店内には、青森県の各高校の寄せ書きノートがあり、書き込みであふれている。

りんごの花・店長 小池政晴さん
「(茂木さんは)とにかく前向きですよね。あとは忍耐強いですね。体力の続く限り、青森をどんどんPRしていけたらなと思っています」

茂木真奈美さん
「(店に来たお客さんに)最終的には、青森に行っていただきたいってオープンのときからその思いはずっと続いてやってます。
引き続き青森のものをたくさんの方に知ってもらえるように続けいきたいなと感じています」

きょうも、「青森PR居酒屋りんごの花」の扉を開ければ、東京・新宿にいながら青森を味わえ、青森出身の人々が集う。

青森テレビ「わっち!!」月~金曜夕方4時25分から
「Turning Point」2024年7月30日(火)放送回より

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