長野県小布施町で、この時期旬を迎えているのが、信州の伝統野菜にも登録されている「小布施丸なす」です。
町では特産品を広めようと、フェアが始まっています。


きんちゃく型に育った大きなナス。

次世代に継承すべき信州の伝統野菜にも認定された=「小布施丸なす」です。

「こちらの列が小布施丸なすです」

生産者のひとりで、保存会の会長を務めるのが、静岡県出身で、その魅力にひかれた工藤陽輔(くどう・ようすけ)さんです。

工藤さん:
「甘さもあるんですけど、やはり肉厚でありまして、煮崩れしにくく、油にも非常に合いますので、ステーキなどにしても、形を保ったまま、美味しく召し上がれます」

普通の丸ナスに比べて肉厚で大きく、甘味があるのが特徴です。

明治時代に小布施町で栽培が始まったとされ、大正時代には北信地方で広く栽培されていた小布施丸なすですが、現在の生産者は8人だけだといいます。

工藤さん:
「どうしても収量が少なくなってしまうのと、伝統野菜であるので、育てにくいというのも要因の一つではないかなと思います。明治時代から続くなすを、次の世代に残したいという強い思いを持っている。農家さんがみんなですね」

栽培農家は減っていますが、地元ではおやきの具材にも使われていて、地域の食文化の継承や振興を目指す文化庁の100年フードへの登録も目指しています。

工藤さん:
「少しでも多くの人に小布施丸なすの良さを伝えたく、今回チャレンジすることになりまして、小布施丸なす保存会として頑張っていきたいと思います」

認知度をさらに高めるために1日から始まったのが、「小布施丸なすフェア」。

町内10か所で、その料理を楽しむことができます。


初めて開催された2023年は期間が9日間でしたが、短いという声が多く今年は1か月間開かれます。

農産物直売所ろくさんでは、定番料理=小布施なすのおやきを楽しむことできます。

2023年は9日間の期間中に700個売れた人気の商品です。

農産物直売所ろくさん 関谷ひかるさん:
「小布施丸なすは大きいので、その特徴を生かしてそのままの大きさ、輪切りにして、中身の味噌は小布施町の味噌屋さんから仕入れたものと、夏にぴったりな青じそも入っています。小布施町産づくしにこだわりました」

小布施丸なすを使った料理は他にも。

北斎館の隣にあるレストランevolve(エボルべ)。

「実がしっかりしているので煮込んでも崩れないですね」

こだわりは、一度素揚げをすること。

食感が良くなり、甘みも引き立つといいます。

完成したのは、小布施丸なすとチーズのトマトソーススパゲティ。


小布施丸なすとトマトをたっぷり使っていて、暑い夏にぴったりです。

evolve代表 宮崎夕樹さん:
「地元の野菜を大事にしておりますので、小布施産のトマトやバジル、小布施産の牛乳を使ったリコッタチーズなど使っておりますので、小布施の食材を楽しんでいただければと思います」

伝統野菜「小布施丸なす」を楽しめるフェアは、8月末まで開催中です。

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