杜の都の夏を彩る「仙台七夕まつり」の開催が近づいてきました。仙台七夕は毎年8月6日から8日までの3日間の開催ですが、よく言われるのが「仙台七夕は雨」のジンクスです。期間中、急に雨が降ってきたりして、商店街の人が飾りをビニールで覆う姿を見たことがある人も多いのではないでしょうか。

2018年の仙台七夕まつり(筆者撮影)

本当に「仙台七夕は雨」なのか近年のデータを見ていくと、2014年からの10年間、仙台で8月6日からの3日間に1ミリ以上の降水を観測しなかったのは、2015年の1回だけです。中でも6年前の2018年は前線の影響で梅雨に戻ったような天気となり、3日間ほとんど雨でした。東北南部の梅雨明けの平年は7月24日ですので、その後10日間程度は夏空の続く日が多いのですが、それを過ぎる仙台七夕の頃になると太平洋高気圧が弱まって、雨が降りやすくなる傾向があると言えそうです。

2018年の仙台七夕まつり(筆者撮影)

また、ここ10年で特徴的なのが、特に最終日の8日に雨の降る年が多いことです。前述の2015年を除く9年全てで8日には1ミリ以上の雨を観測していて、新型コロナウイルスの影響でまつりが中止となった2020年も8日は雨でした。実は2015年も降水量は0ミリだったものの、8日の正午にはごく弱い雨を観測しています。

そして今年も、宮城県内は8日(木)頃はにわか雨の可能性がやや高めとなっています。予想天気図を見ると、来週は高気圧が東西に分かれるような形となっていて、こうなると南から湿った空気が入りやすくなります。

8日(木)の上空の気圧配置を表した図。【H】で示される高気圧が日本列島の東と西に分かれている。(気象庁発表資料に加工)

降水域の予想も、来週は日を追うごとに東日本・北日本にかかりやすくなってきていて、やはり最終日の8日(木)は天気が崩れる可能性もあると考えていた方が良さそうです。

日本付近の地上気圧配置の予想図。網掛けは降水が予想されるエリアを示す。(気象庁発表資料に加工)

tbc気象台の独自週間予報では、6日(火)と7日(水)を曇り時々晴れ、8日(木)を曇りとしています。

tbc気象台の独自週間予報(2日午前11時発表)

気温は3日間を通して平年より高い傾向が続きますので、仙台七夕まつりを見物する人は、会場内で冷たい飲み物を買うなど熱中症に気をつけながら楽しみましょう。

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