荒々しい御陣乗太鼓(ごじんじょだいこ)の音が石川県輪島市の海沿いの町に鳴り響く名舟大祭(なふねたいさい)。1日、住民たちが見守る中、地震後初めて地元で太鼓が打ち鳴らされ、力強い音が響き渡りました。

夜叉や亡霊の面をかぶり、鬼気迫る雰囲気と独自のテンポで打ち鳴らされる御陣乗太鼓は、輪島市名舟町で400年以上受け継がれてきた石川県の無形文化財です。

毎年7月31日と8月1日の2日間行われてきた名舟大祭ですが、神社の倒壊に土砂崩れ、海岸の大規模な隆起など町は甚大な被害を受けたため、今回は海岸に祭殿を設けて1日限りの開催となりました。

いったんは、神事のみ執り行うことが決まりましたが、御陣乗太鼓保存会の強い思いから今回の奉納打ちが実現しました。

海岸には一目見ようと、多くの地元住民らが訪れていました。

御陣乗太鼓保存会・槌谷博之事務局長「思いっきり太鼓たたいてすっきりしている、最高ですね。いろんなとこまわってたたくけどこの地区でたたくのが一番緊張する。きょうも緊張して頑張った」

住民「また久しぶりに聴けて無事ここに来られてよかったなと思う。久しぶりに知っている人の顔も見て安心して。また戻ってきたい」「ちょうど妊娠もしていて、まだ(名舟町には)帰れないかなという感じ。自分の生まれ育った地域なのでまたちょっとずつこうやって復興していって久しぶりに聴いたので良かったです」

心を一つに復興を願って打ち鳴らされた御陣乗太鼓は、青空の下名舟町に力強く響き渡りました。

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