物価高騰など家計への負担が続いていますが、8月~10月の電気料金は政府による補助が実施されることとなりました。

これは、政府が5月まで実施していた「電気・ガス料金の激変緩和対策」が、「酷暑乗り切り緊急支援」として再開されるもので、一般家庭の電気の利用であれば、8月・9月は4.0円/kWh、10月は2.5円/kWhの値引きとなります。

そうした中、今の時期に欠かせないのがエアコンの使用。夏の猛暑の中、命を守るためになくてはならない存在になっています。

まず、エアコンの電力消費量は、夏場の家庭では最も多い全体の34%を占めています。そこで、空調機メーカー、ダイキン工業の重政周之(ちかし)さんに効果的な節電方法を聞きました。

【第1問】エアコンの風量は「弱」と「自動」どちらが節電?

(ダイキン工業 重政さん)
「風量設定が弱よりも自動の方が節電に繋がるという結果になりました。風量を自動にしておくと、できるだけ早く部屋の中を涼しくするような動きをします。一方、風量が弱に設定されている場合、室内機の中を通る空気の量が減ってしまうので、その分、部屋の中が涼しくなるまでに時間がかかってしまうんです」

風量「自動」は「弱」と比べて消費電力が3割ほど少なく、1か月の電気代では約990円安くなるんだそう。

【第2問】エアコンの風向は「斜め下向き」と「水平」どちらが節電?

(ダイキン工業 重政さん)
「風向を水平にした方が消費電力量を抑えられるという結果になりました」
「エアコンは室内機の中に温度センサーを搭載していて、床の方が涼しくなっていても室内機の周りの空気が暖かいと、まだこの部屋は涼しくなっていないということで必要以上にエアコンが運転してしまう場合があるんです」

そこで、風向を水平にすると、暖かい空気が溜まりやすい場所に冷気を送り込むことになるので、結果、温度ムラが抑えやすくなるとのことでした。

ちなみに、風向「水平」は「斜め下」と比べて1か月でおよそ930円もお得なんだそうです。

睡眠時のエアコンは、タイマー切り派?つけっぱし派?

続いて、睡眠時のエアコンの使い方についてです。暑い日が続いていますが、夜間でも温度が下がらない「熱帯夜」、つまり最低温度が25度を下回らない日もあります。

ダイキン工業によりますと、熱帯夜の睡眠時、約4人に3人(76.2%)が、「暑くて目が覚める」「なかなか寝付けない」といった、何らかの悩みを持つことが分かりました。

そして、熱帯夜の睡眠時にエアコンを使用している人は約8割。ただ、この8割は、「タイマー切り派」「つけっぱし派」で、おおよそ半々になっているようです。

ダイキン工業では、この「タイマー切り運転」「つけっぱし運転」で、熱中症対策で利用される暑さ指数(WBGT)がどのように変化するか実験を行いました。

すると、「つけっぱなし」ではWBGTに大きな上昇は見られなかったのに対して、「切タイマー」の場合はエアコン停止後にWBGTが徐々に高まる結果となりました(※)。

就寝中にエアコンがオフになると、明け方にはWBGTが熱中症への警戒が必要とされる値まで達する可能性があるため、気温や湿度の高い日は適度な温度設定で、朝まで「つけっぱなし」にした方が快適な睡眠につながる、とのことです。

帝京大学医学部附属病院・高度救命救急センター長の三宅康史教授によると、「熱帯夜は扇風機をつけたり、窓を開けたりするだけでは十分に涼しい環境を作り出せない可能性」があることから、「エアコンを使用するなどして寝室環境を快適にし、寝る前にしっかりと水分補給を行うことが重要」とのことです。

※調査結果はあくまで目安で、住環境や気温により結果は異なります。

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