能登半島地震の影響で、福祉の受け皿不足が課題となる中、少しずつですが憩いの場が戻りつつあります。石川県輪島市東部では唯一の特別養護老人ホームが、8月から、日帰りで利用できる「デイサービス」を再開します。

輪島市中心部から東に20キロほど離れた町野町にある特別養護老人ホーム「みやび」。

元日の地震で建物への大きな被害はなかったものの、断水などの影響が長引き、施設は休業を余儀なくされました。

特別養護老人ホームみやび統括主任 小力早苗さん「通所サービスといって在宅の方が入浴や他の方とのコミュニケーションを取ってもらうサービスを提供していました」

自宅から日帰りで入浴や食事を受けられる「デイサービス」。

地震前は町野地区をはじめ、珠洲市の一部地域からも1日に15人ほどを受け入れていました。

仮設住宅の完成に伴い、地元の高齢者が避難先などから戻りつつある中、8月再開することにしました。

特別養護老人ホームみやび 統括主任・小力早苗さん「町野地区は人口もそれほど多くないが事業をやっていた方の再開の場となるように施設を提供していきたいこのデイサービスを頼って一緒に何かできるようなことがあれば、一緒に復興していけるような形でデイサービスを盛り上げていきたい」

再開の知らせを聞いて、デイサービスに携わっていた看護師や介護職員なども続々と2次避難先から戻ってきました。

職員の一人「(久しぶりに会えるのは)やっぱり嬉しい。こういう状況だから、元気な顔を見られるのが楽しみ」

一方で、施設全体ではおよそ70人いた職員は地震の影響で3分の2が退職。

より配慮が必要な高齢者が対象の「入所型」の施設は再開の見通しが立っておらず、復旧作業にあたる支援者の宿泊拠点として貸し出しています。

被災地では介護が必要な高齢者の受け皿確保が課題となる中、安心して地元に帰れる場所を作りたいと、関係者は再開を急ぎます。

特別養護老人ホームみやび統括主任・小力早苗さん「来られるだけでお話したいことばっかりの方が多いので、辛いことの話聞いたりとか被災地での不都合なことも職員が聞いて少しでも気を紛らわせて笑って帰ってもらえたらな」

施設では、8月から週に2回、デイサービスに限って希望者を受け入れる予定で、ニーズに応じて営業日を段階的に増やしていくことにしています。

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