募金箱に10万円金貨。  能登半島地震の被災地支援のため、6月末に東京・浅草の太鼓公演会場に設けた募金箱に、昭和62(1987)年発行の昭和天皇在位60年記念の10万円金貨が入っていた。換金したところ、金相場の高騰で2倍以上の約23万8000円になったという。

募金箱に入っていた10万円金貨

 募金箱は国際的に活動する太鼓芸能集団「鼓童」(新潟県佐渡市)が、浅草観光連盟と合同で公演会場に5日間設置していた。鼓童を運営する北前船国内営業制作部の川村真悟さん(40)は「ぱっと見た時は外国の硬貨かと思った。価値のあるものと分かり、大変驚いた」。関係者で協議し、匿名の志に感謝しつつ、支援をより充実させるために換金したという。

公演会場のロビーに設けられた募金箱

 記念硬貨などを扱う新橋スタンプ商会の寺田実社長(65)は10万円金貨について「昭和61年に1000万枚、翌年に100万枚発行された金貨で、重さはいずれも20グラム」と説明。安全資産とされる金は近年、ロシアのウクライナ侵攻などの影響で相場が高騰している。  募金総額は30万円を超え、鼓童と浅草観光連盟は日赤を通じて被災地に届ける。(小形佳奈) 

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