5回目のオリンピック出場を決めた“レジェンド”羽根田卓也選手と、初の五輪代表を決めた“新星”田中雄己選手に迫ります!

カヌースラローム カナディアンシングルのパリオリンピック™代表・羽根田卓也選手は、愛知県豊田市出身の36歳。

カヌースラローム カヤックシングルの田中雄己選手は、岐阜県中津川市出身の22歳。

そんな2人は、ともに東海地方出身で、なんと練習パートナー。このスペシャルな2人の対談をお届けします!

Q:お互いの印象は…?

(羽根田)「(田中選手は)いろいろなアドバイスとか話を、素直に聞いてくれるところはもちろんあるんですけど、“意外と頑固”だなっていうところはあるかもしれない」

(田中)「最近ちょっとね、(自分でも)わかってます(笑)」

(田中)「(羽根田選手は)面白く、ユーモアあるなとは思ってたんですけど、水の上では、本当に俺を笑わせにきてくれる」

すると、羽根田選手が聞き返します。

(羽根田)「練習中の方が面白いって?(笑)」

(田中)「おもろいっすね!」

羽根田卓也選手は、去年の10月に行われたカヌーのアジア選手権で優勝。5回目のオリンピック出場を決めた“レジェンド”です。

「“水の感覚”を彼は持っている」

田中雄己選手は、去年9月にイギリスで行われた世界選手権で15位になり、見事パリオリンピックの代表を掴みとりました。

田中選手は「羽根田選手の漕ぎをみて学ぶことも多い」と語りますが、対する羽根田選手は…

(羽根田)「パリオリンピックを目指すにあたって、自分の変化をつけるという意味でも、田中選手と一緒に練習することが、非常にプラスになる」

お互い認め合う関係性のようです。

Q:羽根田選手が感じる田中選手の強みは…?

(羽根田)「カヌースラローム競技に最も大切な、“水の感覚”を彼は非常に持っているってことですね。水の呼吸を感じ水をつかむ、それをカヌーの推進力に変えるっていう、何よりも大切な技術というか、フィーリングを彼はしっかり持っています」

水の呼吸を感じるという田中選手がカヌーを始めたのは、小学3年生のころ。実家に近い、岐阜県恵那市の阿木川ダムでカヌーに没頭していたそうです。

高校生で代表入りし頭角を現しますが、現在駿河台大学の4年生。実は、卒業を機に競技から引退しようと思っていたそうです。

しかし、競技から引退せずカヌーを続けようと思ったのには、あるきっかけが…

羽根田選手の言葉が運命を変える

(田中)「続けようと思ったきっかけは、卓也さんと出会ったことです。競技に打ち込まないのは“すごくもったいないよ”って、卓也さんは何気なく話してくださったんですけど、確かにそうだなとすごく思った」

羽根田選手と出会い、この何気ない一言で意識が変わった田中選手。その後、去年のアジア大会で2位になるなど、目覚ましい活躍をみせたのです。

田中選手にとっては初めてのオリンピック出場。一方、羽根田選手のオリンピック初出場は、16年前の2008年北京大会21歳のときでした。

以前CBCテレビに生出演した際には、当時のことをこのように振り返りました。

(羽根田)「当時のことはよく覚えているんですけど、初めてのオリンピックに翻弄されて、全然地に足が付いていなかった」

そんな羽根田選手も、過去に4回オリンピックに出場し、オリンピックを知り尽くしています。

プレッシャーは“オリンピックの醍醐味”

(田中)「オリンピック会場に行くと、何が一番プレッシャーになりますか?」

初出場のオリンピックの舞台。やはり不安なのでしょうか。

(羽根田)「プレッシャーっていうのも、自分の中で作り出すものだから、何をどうプレッシャーに感じるかは人それぞれで…(プレッシャーの原因が)観客の数なのか、メディアの数なのか、それとも自分の中で生まれてくる、なんだろう…ライバルへの対抗心なのかわからないけれど。んー月並みですけど、何事も楽しんで自分の味方にする。実際に自分の味方になってくれることばかりなので、オリンピックっていうのは。だから、一つ一つの事象をプレッシャーと感じずに、自分を楽しませてくれる“オリンピックの醍醐味”なんだなって考え方を変えて受け止めてくれればいい」

(田中)「わかりました、ありがとうございます!」

羽根田選手から励ましの言葉を受け、安堵した様子の田中選手。すると、田中選手の口から思いもよらない質問が。

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