夏休みが始まりました。この時期は、レジャーでの水の事故に要注意です。

札幌市内の川で、子どもを遊ばせるときに気を付けていることを聞きました。

「子どもから目を離さないことが大事」
「川が浅くても、流れが速かったりすると足をすくわれるので、こういう危ないことがあるんだよと知らせている」
「足が滑って溺れそうになっても大丈夫なようにライフジャケットを着用している」

 ところ変わって、豊平川に気持ちよさそうに入っていた男性。声をかけてみると…。

川遊びをしていた男性
「めちゃくちゃ(流れが)速い。もう流される。(予想と違う?)違いますね、全然違いますね。こんな流れが速いと思わなかった。見た目と違って…。子どもは絶対危ないと思う」

 油断大敵!水辺のレジャーに潜む危険をもうひとホリします。

一見、緩やかに見える川。しかし、そこには流れる水が生みだす強い圧力「動水圧」があります。

北海道ウォーターセーフティ協会 岸浩明理事長
「流れが少しずつ速くなっている。このとき感じるのは動水圧といって、止めることができない水の圧力を体で感じる」

川や海の事故に詳しい、北海道ウォーターセーフティ協会の岸浩明さんに川での注意点を教えてもらいました。

北海道ウォーターセーフティ協会 岸浩明理事長
「上から見ていると、さほど流れが強そうに見えなくても、実際に行ってみると、十分に浅くても動水圧を体に受ける」

 堀内大輝キャスター
「大人だからちょっと踏ん張っていられますけど、子どもだとね、またさらにリスクあるなって感じはします」

岸さんの指導のもと、川の本流へと近づくと…。

堀内大輝キャスター
「いま川の中心、本流部分に向かって歩いています。ここまで来ると結構踏ん張るのがやっとという感じです。ちょっと一瞬バランス崩すとこれ危ないですね」

 川の見た目とはまったく違う、強い圧力を感じました。そして、危険は川底にも…。

 北海道ウォーターセーフティ協会 岸浩明理事長
「意外と川底って石がゴツゴツしているので歩きづらい。場合によっては、石と石の間に足が挟まってしまったりする。そこに潜むわながあるわけですよ」

 ■川の危険なポイント
1)川底の石などの“わな”⇒足が挟まったまま、体が動水圧で流される
2)ホワイトウォーター⇒白く泡立っている場所は体が浮きにくい
3)川のカーブ⇒カーブの外側のほうが深くて流れが速い


そして、海にも特有の危険が潜んでいます。

海の安全を見守ってきた日本ライフセービング協会の上野哲矢さんは、海は時間とともに、様子がガラリと変わると言います。

日本ライフセービング協会インストラクター 上野哲矢さん
「風の向きですね。午前中は比較的、陸から海に向かって吹く風が多い。沖に向かって風が吹いているから、浮き輪や遊具で遊んでいるとどんどん沖に流される」

ところが午後になると、状況が一変することも…。

日本ライフセービング協会インストラクター 上野哲矢さん
「今度は逆に、海から陸に風が吹く。そういう場合は時間の経過とともに、波が高くなってくる。波が高くなると“離岸流”という潮の流れが発生する」

 “離岸流”とは、海岸に打ち寄せた波が再び沖に戻るときに発生する強い流れのこと。

海水浴場で起きた事故の半数近くが、この離岸流が原因となっています。

では、離岸流に巻き込まれてしまった場合、どう対処すればいいのでしょうか?

日本ライフセービング協会インストラクター 上野哲矢さん
「離岸流に流されてしまうと、沖のほうへどんどん向かってしまう。離岸流は強い流れだと、逆らって泳ぐのは非常に難しい。流された場合は、まっすぐ岸に向かって逆らって泳がないで、まずいったん、その離岸流の流れから離れて、そこから初めて陸に向かって泳ぐ」


離岸流は秒速2メートルにもなって、水泳選手でも逆らって泳げないレベルだということです。

 ■巻き込まれた時の対処方法
・岸には向かわずに離岸流を避ける⇒横に泳ぐ必要がある
・離岸流の横の幅は、10~30メートルといわれているので、少し泳いでいくとはずれることができる
・はずれてから岸に泳いでいく

■水の事故を防ぐには…
・ライフジャケットの着用
・開設されている海水浴場へ行く
・子どもから目を離さない
・子どもだけで行かない
・海の事故は118番 川の事故は警察・消防へ

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