台風3号の影響で暑さが和らいでいる沖縄。しかし27日からは再び厳しい暑さになる見通しです。この暑さで牛の出す牛乳の量は減り、パイナップルは日焼けで穴があくなど大きな影響が出ています。

那覇市で過去最高気温を記録するなど猛暑の沖縄。日傘を使う男性も使う姿も見られるようになるなど、危険な暑さへの意識の変化もみられます。

▽街の人は
「保冷剤や濡れたタオルを首につけたりとか、体を冷やすこと、一番大事なのは決して無理をしない」

▽抱っこひもで乳児を抱く親
「小まめな水分補給と冷たいモノがあれば途中であげるのと、抱っこ紐には保冷剤をつけて過ごす」

暑さ対策に街の人はあの手この手



猛暑を乗り切ろうと、それぞれの生活スタイルに合わせた対策をとる人たち。

ホームセンターでは、例年より熱中症対策関連商品の売れ行きが好調なようです。

▽ホームセンター「メイクマン」スタッフ
「ネッククーラーなどがだいぶ売れています。熱中症対策コーナーをまとめたことで、お客様には分かりやすいようで、去年よりもよく売れています」

今シーズンはたびたび品薄状態になるという対策グッズ。                   

体を涼しく保つ商品以外に、よく売れているのは家を暑さから守る、遮熱に関する商品です。窓ガラスに貼るフィルムに加えて、日よけのシェードやすだれなど、エアコンの光熱費が気になる今、「無理なく継続できる」熱さ対策も人気です。

遮熱フィルムも暑さ対策に有効




あの手この手で工夫する人間と同じように、暑さに苦しんでいるのが動物です。豊見城市の農場を訪ねると…


▽比嘉牧場・比嘉直人さん
「夏の暑さで食べる量が減っているので牛乳が出る量も少ない、暑さで牛がバテている」

涼しい気候を好む乳牛。例年、夏場は冬に比べて20%から30%ほど牛乳の生産量が落ちると言われていますが、今年はさらに減っているといいます。

暑くてモーかなわん



屋根に断熱塗料を施し、大型の送風機を配置するなど少しでも涼しく対策していますが、牛の食欲は日に日に低下。沢山食べ残しが出てしまう状態となっています。

「口を開けて“はぁはぁ”したり、よだれを垂らしたら、呼吸が荒かったりという状態が見られます。牛がバテるのも去年より時期的に早い感じがする」

近年、県内の牛乳の生産量が減少傾向の中、さらに追い打ちをかけるこの暑さ。抜本的な対策はなかなか難しいものの、どうにか大切な家畜を守りたいと話します。

比嘉牧場の牛たち



「何もしなかったらひどい時には熱中症で死んでしまう。人間ができることをやってあげて、牛も過ごしやすいようにしていかないと」


影響は農作物にも。今が旬の沖縄特産・パイナップルにはこんな影響が…

▽冨着農園・冨着一樹さん
「穴が開いている」

猛暑はパイナップルにも影響


名護市の冨着農園。太陽光によって、パイナップルの表面に黒い穴があく被害が増えています。

「暑くなるのが早かったせいもあって対策が遅れてしまって、被害が出てしまったというのはある」

実の目立つところに黒い穴が



例年より暑くなるタイミングが早く、対応が後手になってしまったという冨着代表。現在は日よけネットを2重にするほか、個体に新聞紙を巻くなどの対策を講じています。

「パインを植えて(出荷まで)2年くらいかかる。2年間かけても穴があくと商品にならないので、2年間が無駄になるではないけど、ショックは大きいですね」

日除けでパイナップルを守る


人間以外にも、様々な影響をもたらしている今年の猛暑。我慢の時期は続きそうです。(島袋剛)

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