サッカーの聖地、Jヴィレッジが「高校サッカーの聖地」となります。全国高校総体・インターハイの男子サッカーの試合が、今年からJヴィレッジをメインとした福島固定開催となり、26日に開幕します。期間中に見込まれる来場者はおよそ5万人。周辺の飲食店は経済効果に期待しています。
水津邦治アナウンサー「サッカーの聖地Jヴィレッジです。一時は復興作業の車の駐車場になっていましたが、震災から13年、ここに全国から高校生選手たちが集結します」
全国から52校が出場するインターハイの「男子サッカー」。Jヴィレッジをメイン会場に、いよいよ26日、開幕します。
試合会場のひとつ、楢葉町の「住鉱エナジーマテリアルNARAHAピッチ」。インターハイのために、全面人工芝に張り替えました。25日は、開幕を前に、テントの設置や椅子の準備などが着々と行われました。
来場見込みは5万人 経済効果に「期待しかない」
実は、メイン会場となるJヴィレッジは、2017年にインターハイのサッカーが行われる予定でしたが、震災の影響で中止になりました。大会関係者は、被災地の現状の発信にも期待を寄せています。
全国高校総体サッカー競技大会 福島県事務局・田野入清明事務局長「地元のみなさんは、大きな大会が来るということで期待を寄せていらっしゃると思います」
期間中に見込まれる来場者は、選手や保護者、スタッフなど合わせて5万人。大会事務局では、被災地での賑わいにもつながればと期待しています。
田野入事務局長「大会のみで帰ってしまわれるというのは非常にもったいないと、勝ち負けにかかわらず、勝ったチームはサブ選手、負けたチームは全員で地元に残って試合をするという環境を整備しようと思っている」
水津アナ「Jヴィレッジに近い国道6号沿いにある「豚壱」。人気の豚丼が味わえ、多くの客が予想されます」
食欲をそそる甘辛い味が自慢の「豚丼」。ルーツは、富岡町で営んでいた「うなぎ店」。6代目の押田英駿さんが震災後、明治元年から受け継がれてきた秘伝のタレを使い、楢葉町で開店しました。
双葉郡内ではまだ営業をする店が少ない中、押田さんは、「インターハイ効果」に大きな期待を寄せています。
豚壱・押田英駿さん「このような機会は滅多にないので、期待しかしていないです」
多くの客に対応するため、豚肉の仕入れも5割増し、スタッフも増員する予定です。また、大会期間中、店舗前にキッチンカーを出すなど営業態勢を強化することにしています。
押田さん「秘伝のタレが売りなので、これをきっかけに豚丼が全国のみなさんに知れ渡ればなと思っています」
なぜ「男子サッカー」は福島開催?
今年のインターハイ自体は九州北部が開催地ですが、なぜ男子サッカーは福島開催なのでしょうか?
理由は、選手たちの暑さ対策です。サッカー競技はトーナメント制で、勝ち上がれば勝ち上がるほど試合が続くため、猛暑の中での連戦が問題視されていました。
そこで白羽の矢が立ったのが、夏でも比較的涼しい気候の浜通りでした。今回は楢葉町、広野町、いわき市の会場で試合が行われます。なかでも、Jヴィレッジは宿泊施設や照明設備が整っているので、暑さを避けて、朝や夜の試合ができることも、サッカー競技にとって好都合でした。
震災、原発事故の被災地でもあるので、復興支援にも繋がります。今回のインターハイでは、期間中に5万人ほどの来場が見込まれていて、経済効果も大きいとみられます。
福島県内からは、尚志と帝京安積の2校が代表として出場します。共に初戦は7月28日(日)で、尚志は滋賀代表の近江と徳島代表の徳島市立の勝者と対戦。帝京安積は、埼玉代表の昌平と香川代表の尽誠学園の勝者と対戦します。
今年から男子サッカーは県内で固定開催となるので「冬の国立、夏のJヴィレッジ」という形での盛り上がりが期待されます。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。