兵庫県立こども病院で、10歳未満の男児が心臓病の手術を受けた際に医療ミスが生じ、男児に重度の後遺症が残っていることがわかりました。

 兵庫県の県立こども病院によりますと、去年5月、心臓の心室が一つしかない病気「単心室症」の10歳未満の男児が、人工血管を使って静脈と肺動脈を繋げる「開窓フォンタン手術」を受けました。

 その際、想定を超える大量の空気が心臓に入り、医師は空気を抜く処置を行いましたが、脳の血管にも空気が入ったことで、気泡で脳の血管が詰まる「脳空気塞栓」が生じたということです。

 「脳空気塞栓」による脳障害で、男児は手術後にけいれんを起こしたほか、現在も言葉を発せなくなったり、歩行が難しくなったりしているということです。

 この医療事故の後、病院が設けた外部の医師などでつくる医療事故調査委員会の聞き取りに対し、手術を担当した医師らは、「他に注意すべき合併症に気をとられていて、空気の混入に意識が向いていなかった」と話しているということです。

 病院は男児とその家族に対する賠償を検討しているということです。

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