日本で2番目に高い山、南アルプス「北岳」。2024年は、南アルプスがユネスコエコパークに登録されてから10年の節目の年です。SBSでは北岳への登山に挑戦し、その魅力に迫りました。

「南アルプス登ってきます!頑張るぞ!おー!」

梅雨明け当日の7月18日、クルーが向かったのは…

<和田啓記者>
「見えている一番高い所に登ります」

静岡、長野、山梨の3県にまたがる南アルプス。南北120キロ、東西40キロにわたる広大な山脈に3000メートル級の13の山々がそびえます。中でも、ひときわ大きいのが山梨県に位置する北岳。高さは3193メートルです。

午前7時、山梨県南アルプス市にある登山口から登り始めました。

<和田啓記者>
「歩幅は小さくだよね、疲れにくい(登り方)よね、にしては急だな」

急峻な地形に加えて、山頂までの標高差はおよそ1700メートル。5合目まで車で行ける富士山より登山が難しいと言われています。

<元山岳部 大西晴季記者>
「滑りやすい」

<和田啓記者>
「滑落しちゃうね、踏み外したら」

<登山客>
「(きょうは)天気もいいし、ちょうどいいじゃん」
Q.いい景色でした?
「富士山(の景色)が待ってますよ」

景色はもちろんですが、南アルプスの魅力は何と言っても自然の豊かさです。

<元山岳部 大西晴季記者>
「この植物を見てください。ギンリョウソウという植物で、普通の植物と違って緑の部分が無い」
<和田啓記者>
「茎まで真っ白だ」

南アルプスが登録されたユネスコエコパークとは、生態系と人の調和を目指すモデル地域のこと。南アルプスを抱える静岡市や川根本町など、3県10市町が一体となって貴重な高山植物や野生動物の保全を続けてきました。

<山口県からの登山者>
「北アルプスは、岩でゴツゴツした男性的な感じがするんだけど、南アルプスは緑豊かで女性的な感じがして」

南アルプスには、約5000種類を超える動植物が確認されていて、その多様性を維持するために摘み取ったり、持ち帰ったりすることはできません。

<元山岳部 大西晴季記者>
「タカネマンテマという南アルプスにしか生えていない貴重な希少な植物がありました」
<和田啓記者>
「タカネマンテマ…」

南アルプスの固有種を見つけました。しましま模様が特徴的で先端に小さな花を咲かせます。

ひたすら登り続けること6時間半。ようやく北岳山頂の手前にある山小屋に到着しました。すると小屋の方が特別な植物を見せてくれました。

<北岳肩の小屋 森本千尋さん>
「この白い花がキタダケソウですね。黄色い花の中に2輪だけ咲いているのがキタダケソウ。北岳にしか咲かない花なのでキタダケソウを見るためにこの時期に登ってくる人は結構多い」
Q.南アルプスのシンボル?
「そうです」

稜線に出ると風も強くなります。登り始めることおよそ8時間、ついに…。

<取材クルー>
「山頂に到着しました」
「北岳登頂です」
「山脈の奥にしっかりと富士山が見えています。こうやって富士山を見るのは新鮮ですね」

<登山客>
「(富士山)見えました!天気もよくて最高でした!」
「さすが3000メートル級(の山)だなと思いました。生命力感じました」
「こんなにいい景色は、なかなか360度。最高」

南アルプス最高峰・北岳。人々を魅了してやまない雄大さと大自然の息吹がそこにはありました。

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