行方不明になっていた男性を無事保護することに貢献したとして、乗車歴1年に満たない新人タクシー運転手の女性が、警察から感謝状を贈られました。
男性が家族のもとに帰ることができたのは、「看護師」としての経験をいかした”女性のとっさの判断”がありました。
◆タクシーを運転中、突然車道に現れた高齢男性
福岡県北九州市の南国交通でタクシー運転手を務める河野梨紗さん(47)。7月5日午後9時ごろ、小倉北区内の国道3号でタクシーを運転中、突然、真っ暗な車道に高齢の男性が現れました。
すぐに車をとめ「危ないですよ」と声をかけると、男性はニコニコしながら「タクシーを探していて」と答え、乗車してきました。
◆男性が告げた行き先は隣県
80代のその男性は、”よそゆき”のしっかりした身なりをしていたそうです。
男性が告げた行き先は、関門海峡を超えた隣県の山口県。男性は財布をあけて現金を見せてくれました。
◆長距離の依頼 最初は「嬉しい」と思ったが・・・
はじめは、長距離の依頼に最初は「うれしい」と思った河野さんでしたが、しばらくするといくつか男性の様子に違和感を感じたといいます。
◆河野さんが感じた違和感
携帯電話の呼び出し音が鳴っているにもかかわらず、男性は、「充電がないんだよ」と言ってとろうとしません。
「山口県のどちらまで?」と聞いても詳しい住所を言わない。
そして男性は、河野さんにこう尋ねました。
「ここはどこですか」
◆「認知症かもしれない」
「認知症かもしれない」河野さんは、とっさの判断で進路を変えました。
「まだ電車があるから小倉駅に行きましょう」と告げて。
男性を乗せて、駅前の交番に行った河野さん。警察官に男性の保護を依頼し、男性はその日のうちに無事、家族のもとに戻ったということです。
◆「本人の命を救った」感謝状
福岡県警小倉北警察署は7月24日、行方不明者の安全確保に大きく貢献したとして、磯辺芳文署長が河野さんに感謝状を送りました。
磯辺署長は、「本人の命を救ったし、ご家族の安心も早期に確保できた、本当にありがたい」と述べました。
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