福島第一原発の処理水の海洋放出を巡り、東京電力に請求する損害賠償の手続き方法の説明会が23日、宮城県石巻市で開かれました。出席者からは、請求から3カ月が経っても賠償金の支払いがないことに疑問の声が聞かれました。

説明会には石巻市の水産会社など3社が参加し、東京電力の担当者が、損害賠償の請求方法などを説明しました。

福島第一原発の処理水は、去年8月以降およそ5万4700トンが海に放出され、反発した中国は日本の水産物の輸入を全面的に禁止しました。東京電力は、風評被害によって減少した売り上げなどの賠償をしていますが、7月17日現在、530件の申請に対し、支払いは150件、およそ240億円に留まっています。

会に参加した水産加工会社は、今年4月、輸出する水産物の売り上げ減少分を東京電力に請求しましたが、いまだに支払いはないとして疑問を呈していました。

水産加工会社の人:
「(請求に対し)追加資料、追加資料でいつごろ賠償されるのかまったく先がない」
「東京電力が(賠償の)ルールを決めているのでこちらに寄り添ったルール、歩み寄りがない限りは平行線が続くのではないか」

この説明会は、8月23日までに気仙沼市と仙台市でも行なわれます。

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